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  • 2014.07.10

デイナ・ホワイトにUFC出場を直訴! 杉山しずかインタビュー「なんで日本の女子選手は中井りんちゃんの名前を出さないんだろうって思う」

『りんちゃんは、ミーシャに勝っちゃうと思う』

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26日に行われた、9.20 UFC日本大会の記者会見。デイナ・ホワイトが自家用ジェットで来日し、中井りんvsミーシャ・テイト戦などが発表されたこの会見後、デイナにUFC出場を直訴したのが、DEEP JEWELSで活躍する女子格闘家、杉山しずかだ。女王ロンダ・ラウジーの活躍で、北米では女子MMAが空前の盛り上がりを見せている中、そのロンダ、中井りんと同じ階級である杉山に、UFC直訴の真意と、中井りんのUFC参戦について聞いた。

 

 

——今日は、先日のUFC日本大会の記者会見後、デイナ・ホワイトにUFC出場を直訴した杉山選手に、あの真意をうかがいたいと思って来たんですよ。

 

杉山 どういうつもりなのか、と(笑)。

 

――日本で“突然の直訴”と言えば、山本太郎議員以来ですから(笑)。そもそも会見場に来て、デイナと直接話をするまでのいきさつを教えてもらえますか?

 

杉山 きっかけは、前から私の試合を観ていてくれた関係者の人に「UFCの会見があるから、来てみたら?」って誘っていただいたんですよ。それで行ってみたら、ジャッキーさんという女性を紹介していただいて。名刺を見たら「シニア・バイス・プレジデント」って書いてあったんで、偉い人だと思うんですよね。その方に、「デイナと写真撮りたい?」って言われて、「撮りたい」って言ったら、デイナの囲み取材後に紹介してもらえちゃったんですよ。

 

――じゃあ、最初から直訴を狙っていたというより、あれよあれよという間に、デイナの前に来てしまった、と(笑)。

 

杉山 そうなんです。それで、会見中に他の記者さんが「せっかくの機会なんだから、日本のファイターはこういうところに来て、直接、UFCの関係者に自分を売り込めばいいのにね」とか言ってたんで、もう言っちゃおうと思って、デイナに「私はファイターで、UFCに出たいんです」って、言わせてもらったんです。

 

――まあ、こんな機会はなかなかないですからね。それでデイナの反応はどうだったんですか?

 

杉山 いろいろ聞かれましたね。自分のレコード(戦績)だとか、「どこで試合してるの?」とか「近い試合は?」とか、当たり障りのない話だったんですけど。

 

――プロフィールを聞かれた、と。

 

杉山 あとはインスタグラムとTwitterを交換したくらいですね。デイナのケータイを持たせてもらって、自分で入力したんですよ。めっちゃ、緊張しました(笑)。

 

――デイナのケータイに直接入力! それも、なかなか貴重な経験で(笑)。

 

杉山 あとはジャッキーさんにも覚えてもらって、(UFCアジア・マーケティング・ディレクターの)マーク・フィッシャーも「あの子、誰だ?」みたいに言ってて説明してもらえたので、少しは売り込めたかなって思います。

 

――いま、女子格闘技はようやくアメリカでブレイクしたばかりですから、ある意味、横一線で。みんなにチャンスがあって、それをいかにしてつかみにいくかっていう部分があると思うんですよ。

 

杉山 そうですね。やっとそういう時期が来た感じですね。でも、日本は女子の総合格闘技をずっとやってきたから「やっと」という感じもあるんですけど、すでにレベル的には海外に遅れを取ってる部分があるって正直思っているので、もっと頑張らなきゃいけないですね。

 

――杉山選手は何年か前から、海外を含めて大きなチャンスをつかみたいと考えていたりしたんですか?

 

杉山 いや、自分が本当に強い選手たちとどこまで闘える力があるかっていうのは、なんとなく自分で客観視できていたので、これまではあまり考えてこなかったんですよ。でも、UFCで女子が始まって、ロンダ(・ラウジー)凄いなって思って。私も同階級なんで、もっともっと頑張ろうって思ったんですね。

 

――同階級にスーパースターが生まれたことで、意識が変わったと。

 

杉山 はい。同階級でたぶん、同い年なんですよ。

 

——あ、そうなんですか。

 

杉山 中井りん、杉山しずか、ロンダ・ラウジーが同い年です(笑)。

 

——おお~、女子格闘技を代表する3人が(笑)。

 

杉山 いやいや(笑)。

 

――でも、ロンダってかなりデカくないですか?

 

杉山 柔道では70kg級だったって言いますもんね。

 

——かなりしぼって61.2kgなんですね。杉山選手はどのくらい減量してるんですか?

 

杉山 5~6kg減量するんですけど、一気に落とすんじゃなくて、試合に向けて時間をかけて徐々に落としてますね。前に58kgでやってたときは、一気に落としてたんですけど、もうヘロヘロになって動けなかったんで。

 

——じゃあ、UFCは女子ストロー級(52.1kg以下)が始まりますけど、そこまで落とすのは、まず無理ですね(笑)。

 

杉山 ストロー級だと、もし落とせても何もできないと思います(笑)。

 

——そうなると、杉山選手が目指すのはやはり、ロンダと同じ女子バンタム級になるわけすね。

 

杉山 そうですね。でも、ストロー級ができるっていうのは、日本人にとって凄く嬉しいことですよね。ジュエルスで言うライト級だと思うんで、すぐにでも日本から出場する選手が増えていくと思います。

 

——で、今回は中井りん選手が日本人女子としては、初のUFC参戦が決まりましたけど、率直にどういう感想を持ちましたか?

 

杉山 もともと今回の日本大会は、絶対に女子の試合が組まれると思ってたんですよ。

 

――アメリカでも女子の試合が組まれる大会が凄く増えてますしね。

 

杉山 その中で、誰が出るんだろうって考えたとき、「まあ、りんちゃんだろうな。りんちゃんしかいないだろうな」って思っていたから、私は「やっぱりな」っていう感じですね。

 

——杉山選手的には、納得と。

 

杉山 だって、強いですもん。実際、先週初めてりんちゃんとスパーやったんですけど、激強です!

 

——そんな強いんですか!

 

杉山 もっとパワー(に頼るタイプ)なのかなって思ってたんですけど、そうでもなくて。ちゃんと柔道で培ったものや、レスリングの技術もあって、それでいてのパワーなので、凄かったですね。

 

——中井りん選手って、女子選手の中では、これまで歩んできた道が異色じゃないですか。以前はスマックガールやヴァルキリーにも出てましたけど、ここ4年ぐらいはずっと女子のイベントじゃなくて、戦極やパンクラスで闘ってきたので。だから、ジュエルスのレギュラー選手の目には、どういうふうに映ってるのかなって思ってたんですけど。

 

杉山 私はりんちゃんと同階級なので、2010年くらいに、「次の相手は中井りんになるんじゃない?」みたいに言われたことがあったんですよ。それが最初に意識したところなんですけど、そのときは「ヤバくない? この子、超強いんでしょ?」って感じで思ってましたね。その後はヴァルキリーで一度観たことがあるだけで、実際に会う機会がなかったので。それでいながらメディアに露出はしてたので。なんか二次元の存在みたいな感じがしてましたね。

 

——なるほど。雑誌とか動画サイトに存在している人(笑)。

 

杉山 なんか芸能人みたいなもんですよね。名前だけはよく知ってて、想像が膨らんでるような。

 

——ある種、幻想があるわけですね。

 

杉山 そうなんです。だから、プロ選手としては、凄くいいんじゃなかなって。まあ、周りの女の子は階級が下で闘う可能性もないので、けっこういろいろ思うことを言ってたんですけどね。

 

——イロモノに見られてもしょうがないような動画もバンバン上げてますしね(笑)。

 

杉山 あれ、すごくないですか? 私、それまで観たことなくて、今回始めて検索して観てみたら、「うわっ! これ観ていいのかな」みたいな(笑)。

 

——R指定を感じましたか(笑)。YouTubeで検索すると、試合よりそっちがたくさん出てきますからね。

 

杉山 パンクラスさんが、毎週動画をあげてるんですよね。それを考えると、もっと名前が知られててもいいのかなって思うんですけど。どうなんですか、一般層は?

 

——今回、UFC出場が決定したことで、メディアの露出が一気に増えるんじゃないですかね? 

 

杉山 そうやって、取り上げてもらえるくらいの素材ってことですよね。凄いと思います。(WILD宇佐美)館長のプロデュース能力も含めて。

 

——凄いプロデューサーですよね(笑)。練習からメディアコントロールからすべてやって。

 

杉山 ホントですよ。うらやましいぐらいです、あれだけずっと見てくれる人がいるなんて。

 

——文字通り、手塩にかけて育てた選手ですからね。

 

杉山 そうですよ。エースをねらえ的な(笑)。

 

――マン・ツー・マンで鍛え上げて。

 

杉山 りんちゃんと一緒に練習したとき、最初、打ち込みをやってたんですね。そのとき、周りにもいろんな選手が練習してたんで、館長はそっちをチェックしてたんですよ。そしたら、りんちゃんが「ちゃんと見ててくれなきゃ、わからない」ってちょっと怒った感じで言ってて。

 

——練習の一挙手一投足を見てくれないと嫌だ、と(笑)。

 

杉山 そういうプレイですよね(笑)。

 

——プレイって!(笑)。

 

杉山 プレイじゃないですけど(笑)。打ち込み一つでも、コーチにしっかり見てもらうって、ちゃんとした選手だなって思いました。

 

——でも、トップアスリートとコーチの関係って、そういうもんですよね。レスリングや陸上、フィギュアなんかでも。

 

杉山 そうですよね。ロンダもそうですもんね。

 

——だから、アメリカの女子MMAがロンダをきっかけにブレイクしたように、日本も今回のUFCで、中井りん選手が風穴を空けるような存在になるかもしれないですよね。

 

杉山 私はりんちゃん、ミーシャ(・テイト)に勝つような気がするんですよ。

 

——おお、勝ちますか!

 
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