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  • 2014.12.26

変態座談会 #16

さらば、俺たちの一番星! 『トラック野郎』変態座談会!!「世の中から『トラック野郎』イズムをなくしちゃいけねえ! 俺は“スナック野郎”、一番星筋太郎を目指す!」

浅草キッドの玉袋筋太郎、構成作家・椎名基樹、プロレス&格闘技ライター・堀江ガンツの“変態”3人が、酒を飲みながら居酒屋で好き勝手に語りまくる変態座談会。今回は、我らが菅原文太さんの追悼の意味を込めて、映画『トラック野郎』変態座談会をお送りします!

 

 

ガンツ さて、今回の変態座談会は、菅原文太さん追悼の特別編として「『トラック野郎』変態座談会」として行わせていただきたいと思います!

 

玉袋 やっぱり、プロレス者としても『トラック野郎』は欠かせないからね。

 

椎名 破壊王(橋本真也)も『トラック野郎』のファンだったんですよね?

 

玉袋 そうだよ。1.4ドーム大会にデコトラで入場しようとしたんだから!

 

ガンツ それ、めちゃくちゃ観たかったですよね(笑)。

 

玉袋 いまは破壊王も文太さんもこの世にいねえんだからな。その前には高倉健さんも亡くなって。テレビなんかでさ、高倉健さんの追悼で『幸福の黄色いハンカチ』だとか『鉄道員』、『あなたへ』、『八甲田山』だとか一気に放送してくれるのももちろんうれしいんだけどさ、菅原文太さんの『トラック野郎』はコンプライアンスの問題で地上波でオンエアしねえっていうのは、いかがなものかって思うんだよ。

 

椎名 そんなコンプライアンスの問題があるんですか? でも、昔はテレビでもやってましたよね。

 

玉袋 昔はやってたんだよ。

 

椎名 親の前だと観るのが恥ずかしいっていう(笑)。

 

ガンツ オッパイがたくさん出てきますからね(笑)。

 

玉袋 そりゃ、桃さん(一番星桃次郎=菅原文太)の本籍地がトルコ風呂なんだからしょうがねえよ(笑)。でもよ、やっぱり正月はテレビ東京の午後のロードショーで一挙放送してもらってよ、『トラック野郎』を爆走させてほしいよ。

 

椎名 オッパイ、オッパイ、オッパイで(笑)。

 

ガンツ テレ東の午後なんだから、そのへんは全部ノーカットで(笑)。

 

玉袋 そりゃ、ノーカットだよ。まあ、東映チャンネルはやってくれるんだけど、地上波でたくさんの人に観てほしいよな。

 

椎名 やっぱり、地上波は難しいんですかね。バキュームカーのホースからうんこ撒いたりするシーンを流すのは(笑)。

 

玉袋 加茂さくらがバキュームカーの運転手役で、うんこまみれになるんだよな(笑)。

 

椎名 「マジで!?」って思うよね(笑)。

 

玉袋 あれ、シリーズ第2弾の『トラック野郎 爆走一番星』だけど、山城新伍さんが「トルコの帝王」を名乗って、ダッチワイフ抱きながら、トラックに乗って現れるからね!

 

ガンツ ガハハハハ!  「トルコの帝王・スマタ三四郎」ですよね(笑)。

 

玉袋 そうだよ! 「トルコの帝王」「スマタ」「三四郎」って、行灯つけちゃってな(笑)。

 

椎名 ダッチワイフに「じゅんこ」って、名前付けてるんだよね。

 

ガンツ そうですよ。日本エレキテル連合の「朱美ちゃん」より、40年早いという(笑)。

 

玉袋 だからやっぱりね、いまの時代に何が足りねえって、『トラック野郎』なんですよ。当時は『トラック野郎』に憧れてトラックの運転手さんになった人多いからね。8割方そうだよ。で、いまは実際にトラックドライバーが少なくなっちゃって、大変なんだよ。若いドライバーが。

 

椎名 なり手が? それは困っちゃうね。

 

玉袋 それは『トラック野郎』を観てないからだよ。これ観りゃみんなトラック運転手に憧れるよ、いまの年代でもね。それはなぜかっつうと、鈴木則文監督の『トラック野郎』イズムだよな。娯楽に徹した部分はいまでも絶対に通じるしさ。俺のカミさんなんかも観たことなかったんだけど、俺が家でDVD観てるとき脇でチラッと観ててさ、「私、寅さんよりこっちのほうがいいわ」って言うもんね。そりゃ、もちろん寅さんも素晴らしいんだけどさ。

 

椎名 『トラック野郎』はギャグ満載ですもんね。

 

玉袋 究極のギャグ映画だよね。

 

椎名 しかも、あんな破廉恥なものない(笑)。

 

ガンツ 破廉恥ですよね~(笑)。あれがシリーズとして10作続いてるところが素晴らしい。

 

玉袋 そうだよ。しか、『トラック野郎』っつうのは、始まりは急場しのぎで時間もないところで作ったんだぜ? それが蓋を開けたら大ヒットで、松竹の『男はつらいよ』に東映が『トラック野郎』で対抗するようになるんだから。

 

椎名 東京だと、映画は一本立てだっけ?

 

玉袋 いや、当時は二本。『トラック野郎』も二本。

 

椎名 『男はつらいよ』と『トラック野郎』の二本立てですか?

 

玉袋 いや、違う。

 

ガンツ 千葉真一の空手映画とかですよね?

 

玉袋 そう。千葉真一の『極真無頼拳』とかよ、志穂美悦子の『女必殺拳』、あとは、せんだみつおの『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所』)』んときもあったよ。

 

椎名 それはそれで魅力的ですね(笑)。でも、静岡は『男はつらいよ』と『トラック野郎』が同時上映だったんですよ。

 

ガンツ 凄い。松竹と東映のトップ同士が合同興行(笑)。

 

椎名 じゃあ、『釣りバカ日誌』は?

 

玉袋 『釣りバカ』は寅さんと一緒だよ。松竹だもん。

 

椎名 あ、そうか。

 

ガンツ 地方に行くと、上映時期が遅れる代わりに、寅さんと桃さんが合体してたんですね(笑)。

 

椎名 そう、凄い豪華だった。

 

玉袋 寅さんと『トラック野郎』は一時期、観客動員から何から競ってたからね。でも、『トラック野郎』は必ず警視庁と揉めたりするんだよ。

 

椎名 あ、やっぱりそうなんですか。

 

玉袋 警察との軋轢だったり圧力はあったらしいんだよ。やっぱり悪役じゃん?
 

ガンツ そうですよね。『トラック野郎』で警察は、さんざんコケにされて、パトカーひっくり返されるのがお決まりでしたもんね。

 

玉袋 でも、それは当時のトラック運転手たちの思いがかたちになってる部分もあるんだよ。だって、この映画の製作が決定したとき、鈴木監督と脚本担当の澤井信一郎さんが「シナリオハンティングしよう」って、実際のトラック野郎の人に3日間乗っけてもらって、それで第1作のシナリオを作っていったからね。で、映画が完成したあと、できあがった作品を見る前にその乗っけてくれたトラックドライバーの方が事故で死んじゃったの。

 

椎名 うわ~。

 

玉袋 そういった男の熱き思いが入ってんだよね、根底には。

 

ガンツ だから、全編を通じて、無闇に熱が溢れてますよね。

 

椎名 あとは凄い垢抜けてると思った。だって、こういうギャグってないじゃん、日本に。

 

玉袋 映画なのに、全編うんこチンチンだもん。

 

ガンツ ガハハハハ!

 

椎名 あとさ、特撮に凝ってるじゃん?

 

玉袋 凝ってるよ。

 

椎名 そこがおもしろくない? プラモデルで特撮するところ。

 

玉袋 そう、最高!

 

ガンツ クライマックスでトラックが飛んだりするんですよね(笑)。

 

玉袋 バカバカしいんだけどさ、俺、観てて「桃さんみてえになりてえ」と思ったもん。で、俺はトラック野郎にはならなかったけど、“スナック野郎”になったんだよ。ある意味、一緒だよ。

 

ガンツ 全国のスナックを転々として(笑)。

 

玉袋 そうだよ。旅先々で恋に落ちてさ。野糞して。トルコ行って、風俗行って、一緒なんだよね。

 

ガンツ 結局、男がやることは一緒だ、という(笑)。

 

椎名 あと、トラックの運転席の裏にある、狭いベッドスペースに憧れなかった? 『トラック野郎』だと、あそこで小さいテレビで観ながらゲラゲラ笑ってるじゃん? あれに凄い憧れた。

 

ガンツ 大人版のドラえもんですよね。押入れで寝たいっていうのと一緒(笑)。

 

玉袋 あのデコトラは、すべて哥麿会ってところが協力してるんだけどさ、俺は前に哥麿会のパーティに招待してもらったことがあるんだよ。結局、ロケが入っちゃって出られなかったんだけど、お花を「スナック野郎」として出したの。そしたら、うれしいことに哥麿会の幟とシールもらってさ、自分のクルマに哥麿会のシール貼っちゃって。だから、俺も哥麿会の準構成員みてえなもんだからね。


ガンツ 凄い(笑)。哥麿会は、菅原文太さん追悼で、大晦日にデコトラ集結するんですよね?

 

玉袋 そう。群馬に集結してな。デコトラで一番星号もちゃんとあるんだ。マニアが作っててさ。そういう熱い思いがまだ残ってるんだよな。これが世の中になくなったらおしめえだよ。

 

椎名 でも、ないっスよね。

 

玉袋 いまは規制があって、デコトラも走ってねえしな。

 

ガンツ やっぱりあれは規制で走らなくなったんですか?

 

玉袋 それも理由としてあるんだよ。

 

椎名 やってるけど、走らせられないんだよね。

 

玉袋 でもよ、『トラック野郎』のBlu-rayなんていま観ても最高だよ。

 

椎名 当時は凄い一般的な人気でしたしね。前も言ったかもしれないけど、大ブームになったスーパーカーカードのあとに、『トラック野郎』のデコトラカードがあったんだから。

 

玉袋 『トラック野郎』は当時、興行収益も凄いし、『キネマ旬報』のベスト10にも入ってるからね。作品としても素晴らしいんだよ。で、やっぱマドンナが初々しいじゃん? 夏目雅子がデビューしたのは『トラック野郎』だから。

 

ガンツ みんなキレイなんですよね。わけありの美女ばかりで(笑)。

 

玉袋 悲しい過去を背負っちゃってるんだよな。その中でも忘れられないのが夏樹陽子だね。最高なんだよ。あれなんだっけ? 『天下御免』だっけ?

 

椎名 『天下御免』は由美かおる。

 

玉袋 千葉ちゃん(千葉真一)の回(『度胸一番星』)だよ。ジョーズだよ、ジョーズ。

 

椎名 小野みゆきも出てるんですね。

 

玉袋 『燃えろいい女』だよ。資生堂のCMで人気でてさ。

 

ガンツ その当時の流行ものをすぐ取り入れちゃうんですよね(笑)。

 

玉袋 だから、当時の売れてる芸人さんとかも必ず出てるんだよ。海原千里・万里さんとかさ、ばってん荒川さん、松鶴屋千とせさんとかさ、出てるのよ。そういうのがいっしょくたになって、熱気がスクリーンから放出されてるんだよね。つい数日前にも、菅原文太さん追悼で『望郷一番星』観ちゃったから。梅宮(辰夫)さんと殴り合い、最高だよ。あの冷凍庫に入っちゃってよ。カチンコチンに凍っちゃって。

 

椎名 あれをパクったのが、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ(笑)。

 

玉袋 そうだよ。ジョージ・ルーカスがパクっちゃったんだよ(笑)。

 

ガンツ そんなバカな(笑)。

 

玉袋 あと、千葉真一の「ジョーズ」が出てくる『度胸一番星』。あれ、最後の片平なぎさの亡霊が悲しいんだよ。死んじゃうんだよな。

 

ガンツ 鉄砲水に飲み込まれるんですよね。

 

玉袋 そうそう。

 

ガンツ シリーズ唯一、桃さんに結婚OKの返事をしたヒロイン。

 

椎名 そうなんだ。それが片平なぎさなんだ。

 

玉袋 うん。その『度胸一番星』には八代亜紀さんも出てきてさ、歌うんだよ。俺、八代さんと共演させてもらったとき、Blu-rayにサインしてもらったからね。

 

椎名 へえ! 『トラック野郎』って歌のシーンあるよね? 新沼謙治とか。あれ、いいよね(笑)。

 

ガンツ 第1話にはダウンタウンブギウギバンドも出てきますし。

 

玉袋 だって、主題歌の『一番星ブルース』が宇崎(竜童)さんだからね。

 

椎名 『一番星ブルース』は玉さんのテーマソングだもんね。

 

玉袋 だから“トラック野郎”っつーのは、いまも俺たちの心の中で爆走してるんだよ。いまのトラック運転手たちも、その魂を持って、みんなわっぱを握ってると思うよ。俺もまた正月にテレ東の『トラック乗り継ぎ旅』があるんだけど、ドライバーさんに聞いたら、9割は絶対に『トラック野郎』のファンだからね。


ガンツ 玉さんは、トラックの助手席に乗せてもらうたびに、運転手さんと『トラック野郎』の話をしてるんですか?

 

玉袋 してるよ。「何が好き?」って。俺、今度から、この『トラック野郎』の本を持ち歩くよ。

 

ガンツ この本にもたくさん載ってますけど、『トラック野郎』は興行用ポスターがまたいいですよね。

 

玉袋 いいんだよ~!

 

椎名 プロレスだね、色合いが。

 

玉袋 プロレスだよ。もちろん、愛川欽也さんとのタッグも最高だしさ。

 

ガンツ あれこそ名タッグですよね(笑)。

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