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  • 2014.11.27

GK金沢克彦コラム #23

GK金沢コラム連載第23回!! 「プロレスリングBAR『カウント2.99』4周年記念トークイベント」

※写真は昨年11月、『カウント2.99』でのトークイベント後の記念写真です
GKが一プロレスファンに戻って語り合った4時間半


 今回のコラムでは少し違った視点でプロレスを捉えるというか、プロレスを取り巻くひとつの現象を書いてみたいと思う。先週の23日、ワタクシ金沢は大阪ミナミのプロレスリングBAR『カウント2.99』でトークイベントを開催した。これがじつに4年連続4回目。しかも、2010年11月にオープンした『カウント2.99』の旗揚げ記念日という特別なイベントに旗揚げ1周年記念スペシャルゲストとして2011年11月に招かれて以来、4年連続のイベント開催となる。

 

 第1回目は、マスターのコウジさんの個人的な趣味というか興味本位によってオファーをもらった実験的なものだったように思う。それまでまったく面識がなかったし、店の存在さえ知らなかった私に、この話をつないでくれたのは大谷晋二郎だった。「なぜにトークイベントのために大阪まで行かなきゃいけないのかな!?」と最初は思った。だけど、ほかならぬ晋ちゃんの紹介だったし、「マスターはプロレス愛に溢れたとてもいい人なので、とりあえず話を聞いていただけませんか?」ということなので、よく事情を呑みこめないままで即OKさせてもらった。

 

 過去に、トークイベントといえば、新宿ロフトプラスワンで隔月開催されていたターザン山本&吉田豪の『格闘二人祭』にほぼレギュラーのごとく毎回参加していた経緯がある。この当時、豪さんがずいぶんと私に気を使ってくれて、ゲストが3人いようと4人いようと、最後までイベントのお付き合いをしていた私に、おそらく他のゲスト陣より多い出演料を必ず用意してくれていた。ただし、「単独のトークイベントになるとどうなるのかな?」と自分でも予想・想像がつかない。その一方で、レスラー、あるいはレスラーの相手役ではなく、GK金沢が語ることの意味合いを考えてみたときに、自ずと答えが出てきた。

 

 現役プロレスラーが口にできないこと、あるいはレスラーとの絡みでは話せないこと、そこをギリギリのラインで語ってやろうではないか!ということ。それこそ自分のように、この業界に28年以上もどっぷりと浸かってきた人間のやるべきことだろうと思ったのだ。

 

 また、大阪という地も非常にタイムリーな場所だったのかもしれない。いま、業界のトップを独走中の新日本プロレスにとって、プロレスの聖地といえば、東の後楽園ホールと西の大阪府立体育会館(ボディメーカー・コロシアム)を指すと言いきっていいほど、後楽園ホールと大阪府立のプロレス人気は絶大であり、超満員伝説は続いている。加えて、後楽園ホールなら、いつでもワタクシ金沢がチョロチョロしているわけでべつに珍しい存在ではないけれど、大阪となれば1年に3回ほど会場を訪れるぐらいだから意外と、こんな私でも希少価値があるようなのだ。

 

 2011年の第1回目の単独トークイベント。ともかく30名以上のファンが集まりそれなりの入りだった。とりあえず、レスラーのイベントにもまったく劣らない入りだとマスターに聞かされて安心した。そこで驚いたのは、やはりファン層が変わったのだなということ。ひと昔前の紙袋を提げたオタク丸出しファンという風貌の観客がまったくいない。女性ファンが2名ほどしかいなかったのが残念といえば残念だが、そもそも私のトークを聞きたいという女性ファンのほうがどうかしている(笑)……というかマニアックすぎるだろう。まあ個人的な女性ファン待望論(?)は年齢も年齢だし(※もう間もなく53歳だぞ、オイッ!)、諦めるとして、とにかくお客さんの目が輝いていて生き生きしている。私の言葉を一言も聞き逃すまいという感じで真剣な目で見つめ、ジョークには笑い、初めて聞いたであろう秘話には「ほぉー!!」と驚きの声があがる。反応が抜群にいいのだ。

 

 そこで、私は第1回目から、もちろん、『カウント2.99』でのイベントに限らず、福島や秋田のスポーツバーでイベントを開催したときにも、まず最初に必ずひとつ約束をしてもらうことに決めた。

 

「今日の話はすべて今日この場限りの話です。だから、ブログやツイッタ―に中身は書かないと約束してください。『つまらなかった』、『おもしろかった』などイベントの感想などはどんどん書いてもらってもけっこうですから」

 

 これも、ひと昔前なら約束を破る人間はザラにいたと思う。2ちゃんねる全盛期ならスレッドが立てられて、私の話の揚げ足を取られまくっていたことだろう。だけど、この数年、みんなが約束を守ってくれる。なにか、その場に居合わせたファン同士の連帯感にようなものさえ生まれるから、自然と約束破りは許されないという空気にもなるのだ。

 

 こんな最高の環境に置かれたら、私の口も滑らかになる。ただでさえ、しゃべりは得意分野なのだから、脱線したまま1時間でも2時間でもしゃべりまくる。気が付くと、私はもちろん、質問したマスターももともとのテーマを忘れていて、お客さんに確認してようやく当初のテーマを思い出すほど脱線しまくるのだ。そこには、レスラーの思わぬイイ話や、トホホな秘話、あの試合の真相、あの選手はこの選手をどう思っているのか、あるいは、私のなかでなぜこの選手への評価が高いのか……など、ふだんブログや当コラムでは書けない話、核心を濁して書く話、またテレビ朝日やサムライTVのテレビ解説では絶対に言えない話題などにも触れていく。そりゃそうだろう! そういう話を聞きたくて、みんなレスラーではなく私のトークを聞きにくるのだ。もっと言うなら、そういう話のほうがレスラーのトークよりおもしろいから選手より私のトークイベントのほうが集客するのである。

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