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  • 2014.11.13

GK金沢克彦コラム #21

GK金沢コラム連載第21回!! 「大爆発&大炎上した新日本11・8大阪」

新日本の11・8大阪大会はすべてにおいて別次元のレベルにある空間だった!

 来年の1・4東京ドーム大会へと直結する重要な大会である新日本プロレスの11・8大阪府立体育会館(BODYMAKERコロシアム)大会が、またも大爆発&大炎上した。玉座であるIWGPヘビー級選手権は組まれなかったものの、その凄まじいまでのラインナップは先の1013両国大会を凌駕していたかもしれない。

 

 観客発表は7,500人(超満員札止め)となっていたが、今回の超満員札止めは並みの(?)超満員札止めとは訳が違う。アリーナは大型スクリーンを設置した場所だけ若干の空間を設け、あとはセットバックを組んだうえで、会場後方までイス席をギッシリと設置していた。もちろん、客席をつぶした入場ステージを作ることもなく、観客席の間に2ヵ所の花道を作る設定。2階席も大型ビジョンのすぐ横まで観客がビッシリと隈なく埋めていた。前売り券は大会3日前に完売し、当日券販売もなし。いまや大阪府立は後楽園ホールと並ぶ新日本プロレスの聖地と化している。

 

 今回、率直にいうなら、メインイベントに中邑真輔vs柴田勝頼の因縁対決を据え、しかもそれがIWGPインターコンチネンタル王座を賭けた一戦というだけで充分だったように思う。おそらく、それだけを目玉に1本で勝負しても、会場は満員あるいは超満員になったろう。ところが、さらにNEVER無差別級選手権(石井智宏vs後藤洋央紀)、AJスタイルズvsヨシタツ、IWGPジュニア戦(田口隆祐vsタイチ)、IWGPジュニアタッグ戦(タイムスプリッタ―ズvsレッドラゴン)、NWA世界ジュニア戦(オーエンズvsライガ―)と、これでもか!とばかりタイトルマッチ、好カードをラインナップしてきた。

 

 なぜ、ここまで!? そう考えて私なりに分析してみると、3つの要素が浮かんでくる。まず、今年6月に開催した大阪『DOMINION』の反省。当初発表されていたのはメインのインターコンチネンタル選手権のみ。しかも、中邑に挑戦するのがバッドラック・ファレ。このカードは3月の尼崎大会(『NEW JAPAN CUP』優勝決定戦)で実現しており、中邑が優勝している。つまり新鮮味がないし、ファレがまだまだスター級の選手として認知されていない。そういった理由からファンのネットはかなり荒れた。「大阪を舐めるな!」とか「こんなカードでは観に行く気がしない」といった声が次々と噴出したのだ。それでも直前になって、IWGPタッグ選手権(アンダーソン&ギャローズvs棚橋&真壁)、NWA世界タッグ選手権(テンコジvsK.E.S)、IWGPジュニアタッグ選手権(ヤングバックスvsタイムスプリッタ―ズ)とタイトル戦が追加発表され、『スーパーJr.』の結果を受けて究極のハイフライヤ―対決である飯伏幸太vsリコシェのIWGPジュニアヘビー級選手権がラインナップされた。

 

 結果的に、会場は超満員の観客で埋まり、興行も大成功に終わっている。ただし、「結果よければすべてよし」の感覚ではなく、あのとき大阪ファンが反感からヒートした事実を新日本は重く受け止め反省点としていたのではないか!? 私はそう解釈しているのだ。

 二番目と三番目はポジティブな要素。この日、第5試合終了後に会場ビジョンで大きな発表があった。来年7月、21年ぶりに新日本が大阪城ホール大会を開催するというのだ。

 

 最大で1万3,500人、立見も入れれば1万6,000人収容可能という大きな器でのビッグイベントへ向け、ここ2~3年大阪の地で地道に撒いてきた種を実らせ、それを来年7月に大輪の花として咲かせなくてはいけない。

 

 今回の豪華ラインナップは、まだまだ種撒きの一環でありながら、前売り段階でのチケット完売により手応えを掴むことができたのではないだろうか?

 

 三番目は、やはり来年1・4東京ドームへ向けての土台作り。次期シリーズはタッグリーグ戦となるから、タイトルマッチは組まれない。だから、この大阪の結果と流れを踏まえ、1・4の中核を占めるカードができあがるようにもっていくことが大切。唐突なカード編成、単にビッグネームとビッグネームをぶつけるだけ、他団体選手との突発的なドリームカードの実現……こういうマッチメイクはいまの時代にまったくそぐわないのだ。

 

 もっと言うなら、現代マット界でドリームカードと呼べるものはほぼ尽きたと思うし、団体同士の交流戦、対抗戦も刺激に乏しくなった。そういう時代だからこそ、新日本だけが突出して突っ走っているのかもしれない。会場を見渡せば、明らかにファン層が若返っており、女性が増えて子どもが増えて、第1試合から大歓声が沸き起こる。蝶野の試合も観たことがない、健介の試合も観たことがない世代。それ以前に、武藤、蝶野、健介らが新日本で活躍していたことさえ知らないかもしれない世代。当然、『週刊ゴング』など見たことも読んだこともない。今回、『ゴング』復刊0号が世に出たことで初めて『週プロ』以外の専門(週刊)誌が、過去に存在していたことを知ったような新規ファンも大勢いることだろう。

 

 だからこそ、重要なこと、もっとも大切なものは、分厚い新日本の選手層を駆使して見せつけるパッケージプロレスと勝負論の二つ。

 

 そこに他団体の選手はいま必要とされないのである。言ってみれば、いまの新日本プロレスは“新日本王国”を創っている真っ最中なのだ。

 

 例によって(笑)、またかなり話が逸れていったのだが、予想通り今回の大阪大会では試合そのもので見せ、試合後のアクションでネクスト(1・4東京ドーム)を示唆させる見事なパフォーマンスに溢れていた。この半年、嫌というほど闘いながら感情を高ぶらせてきた鈴木みのると桜庭和志が、UWFルールという名のデスマッチルールでついに一騎打ち。IWGPジュニアタッグ戦ではレッドラゴンが新王者になったことにより、タイムスプリッタ―ズ、ヤングバックス、フォーエバーフーリガンズの4チームによる4WAYタイトルマッチが決定。いま史上最高レベルにあると言われる新日ジュニアタッグ戦線のトップを争う4チームが、おそらく1・4のオープニングを飾るのではないか?

 

“R指定発言”の連発で変態王者の名を欲しいままにする第69代IWGPジュニア王者の田口がタイチの挑戦を退けると、「新メンバーの投入」を宣言していたバレットクラブが登場。渦中の男は、DDTから移籍してきたケニ―・オメガだった。これにて、田口vsケニ―のタイトル戦も決定した。それにしても、ケニ―は決まっていた。その風貌は、レイザ―ラモンことスコット・ホールを彷彿させ、ペラペラの日本語もあえていっさい話さない。ジュニアにしてはパワフルでヘビーに近い体格を備えているケニ―のバレットクラブ入りは正解だろう。そこに身を置いていれば、ジュニア戦線だけではなく、否でもタッグマッチとなればヘビー級と交わることができるからだ。そして、そんなに遠くない将来、ゴールデン☆ラヴァーズとして同士だった飯伏と抗争を展開する可能性もありそうだ。

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