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  • 2014.06.26

真壁刀義の“タフ”とは何か?(後編)

先週に引き続き、真壁刀義が“タフ”を語る。プロレス界一のタフガイはどのようにして作られたのか? リアルな感情がほとばしる真壁節をお楽しみください!

タフって環境だよ。俺のこれまで育った環境……もちろん生まれもっての環境もあれば、この世界に入ってからの環境、そういう環境がタフなレスラーを作るんだと思うね
 

──「死ぬ気で全部ぶっ壊してやる!」と思った。

 

真壁 俺は新弟子の頃から地獄だったからさ。海外遠征から帰ってきたときまでずっと。

 

──当時、先輩レスラーたちを「みんな刺し殺してやる」って思ってたんですよね?

 

真壁 それ、リアルに殺してやろうって思ってたからね。「今度コイツに殴られたら、ぶっ殺してやる!」って。毎日がそれの繰り返し。だけど、その仲間の一言が転機となって、ガソリンが入ったよな。火がついたんだよ。「よし、とことんやってやろうじゃねえか! デスマッチ? かまわねえ! なんぼでもやってやる!」って。要するに棚橋なり、中邑なり、ベビーフェイスのツートップに対して俺はよ、「あんなつまんねえ、クソみてえなレスラー2人でよ、オ○ニーみたいなプロレスやりやがって」って思ってたんだよ。現に当時、俺は中邑なんかクソとも認められなかったからね。「なにそれ? つまんねえプロレスしてんのにワーキャー言われやがって。だったらあの野郎を引きずり降ろしてやろう!」って思ったんだよ。試合でとことん飲み込んで、試合後のマイクパフォーマンスでもすべて飲み込んでさ、アイツを引きずり降ろしてやろうって。それでできたのがGBHという派閥なわけだ。天山(広吉)とか越中(詩郎)には任せらんねえから外に出してさ、俺がトップでやってやった。それで、他団体でデスマッチもやってたよな。そこで俺はアパッチ(プロレス軍)のヤツらからすべてを盗んだよ。

 

──インディーの選手からすべてを盗んだと。

 

真壁 いろんなものを盗んだ。デスマッチにおいてのハウ・トゥ、闘い方、それを見ながらじゃねえ、自分でやりながら盗んでいった。インディーだろうが関係ねえ。だって新日本はもう地に堕ちてたぜ? 地に堕ちてる新日本がさ、「メジャーとインディーは違う」とか、もうクソだなって思ったもん、俺。「なに言ってんだよ、バカ! おめえらなんかインディー以下だよ」って。「クソみてえなプロレスばっかやりやがって。会場見てみろ、閑古鳥が鳴いてるじゃねえか」って思ってたからさ、だから「俺がやってやろう」って。そしたら、少しずつ、少しずつよ、俺がアパッチの金村(キンタロー)とか黒田(哲広)とか、いろんなヤツらを血祭りにあげていけばいくほどさ、そりゃ俺に対するブーイングはひどいけど、新日本がどんどん上がってったんだよ。で、最終的なところで俺はほっぽり出されるわけだけども、そうなってきたときにはある意味で新日本の基盤はできてたよな。それからはIWGPのベルトを巻いたりさ、G1を獲ったりとかして、俺の転機へと変わっていくわけだ。あそこの原動力っていうのは、すべて怒りしかなかった。

 

──新日本内のあらゆるものすべてに対する怒りなわけですよね。しかし、それまでの真壁さんの地獄の日々っていうのは、逆説的に新日本の凄みが伝わるエピソードとなるわけですけど。

 

真壁 (長州の声マネで)ハンパじゃないですよ。

 

──また長州さん(笑)。しかも、いまの真壁刀義を形成するうえでの重要な経験となっている。ある意味、 かわいがりってズルいですよね。

 

真壁 だから俺がいつも思うのはさ、当然いまの新弟子たちに対して、俺は気に入らないヤツはとことん怒鳴るし、ぶっ飛ばすわけだ。ぶっ飛ばすけども、「おまえら、よかったな」っていう部分もあるんだよ。だってよ、「俺と同じ時代に入ってみろ。おまえら、全員いなくなってるよ」って思うわけ。現にさ、俺の前には(選手が)2年いないし、俺のケツにも2年いないからね。1カ月遅れの同期の藤田(和之)だけだよ。それも結局、藤田はある意味で別格だったから生き残ったわけだ。でも、それ以降の2年、「あの凄まじい2年の間におまえら入ってみろよ。残れるわけねえだろ」って。

 

──でもそれを言うのって、ある意味では優しさですよね。

 

真壁 だけどもう飽きた。殴ったりすんの。

 

──殴り飽きた(笑)。

 

真壁 俺、殴りすぎてるもん。新弟子だけじゃねえぜ? 目上のレスラーだろうが、ナメたプロレスやってるヤツは許せねえの。「おい、おまえよ、そんなナメたプロレスやってんだったらよそに行けよ」って。「よそに行くか、そこらへんの部活の体育館の用具室にでも行けよ」って言っちゃう。新日本プロレスのリングは、そういうくだらない闘いをやってるところじゃねえって思ってるからさ、くだらない試合をしたヤツには制裁を加えてた。だから、そういう俺の姿を見ていた外国人のレスラー連中なんかは、「真壁は怒らせたらヤベえ」ってみんなわかってる。でも俺はそんなの関係ねえから。それがたとえ目上の人間でも関係ねえ、俺はすぐに怒鳴るからね。

 

──すぐに怒鳴る(笑)。

 

真壁 ナメたプロレスしてるヤツを見ると、とことんぶっ飛ばすからね。目上のレスラーだろうが関係ねえ。「もう消えてくれよ。どうぞ、よそに行ってくれ」って。結局よ、プロレスラーっていうのは、練習とハートがすべてなんだよ。それで花が咲いてるヤツには「よし、がんばれよ。これを続けろよ」って言う。逆に花が咲いてねえヤツだって、コツコツやってればいつかかならず咲くんだよ。石井(智宏)の野郎がそうだろ。俺もそうじゃん。俺ら、会社から何ももらってねえよ。

 

──レールを敷いてもらってない。

 

真壁 全然ねえよ。だからレールを敷いてもらってる連中が憎たらしい、だから全部ひっくり返してやる。だけど俺、石井は(上にあがって)来るだろうなと思ってたぜ。案の定、来たよな。そういうことなんだよ、結局。

 

──最終的には本人の腕次第だと。

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