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  • 2014.09.25

9.27『UFC 178』で元“絶対王者”クルーズと対戦! 水垣偉弥インタビュー「4度目の正直、これが最後のチャンスだと思って挑みます!」

日本時間の9月28日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われる『UFC 178』で、ドミニク・クルーズと対戦する水垣偉弥に独占インタビュー!  只今5連勝中、UFC日本のエースとなった水垣が、ついにバンタム級王座挑戦への最後の関門として、3年ぶりの復帰戦となる元“絶対王者”クルーズとの一戦に挑む。はたして水垣は、いかにしてこの難敵と闘うのか? 大注目の一戦を前に、その意気込みを聞いた。

 

 

 

——まず、ドミニク・クルーズ戦が決まったときの、率直な感想から聞かせていただけますか?

 

水垣 前回の試合が終わった直後ぐらいから、ドミニクが「水垣とやりたい」って名前を挙げてくれてたんで、「そうなればいいな」と思ってて。それでそういうオファーが来たんで、うれしかったですね。

 

――ついに、いい時期に本物のビッグネームと対戦できるというか。

 

水垣 そうですね。いままでWEC時代から、けっこうビッグネームとやってるんですけど、ことごとく返り討ちにあってるんで、そろそろ結果は出したいですね。

 

――これまでのビッグネームで言うと、最初がミゲール・トーレス、そしてユライア・フェイバー。

 

水垣 あと元(WEC世界バンタム級)チャンピオンってことでブライアン・ボウルズ。だから4度目の正直ですね。

 

――もう2009年にアメリカを主戦場にしてから、丸5年になりますけど、この道のりはどうでしたか?

 

水垣 いや、自然と5年経っちゃったんで、そういうものなのかなって(笑)。

 

――でも、このレベルのところでずーっと、気持ちを切らさないで闘い続けるって、精神的にも肉体的にもかなりタフじゃないとやっていけないですよね。

 

水垣 そうですね。漠然とじゃできないですね。それじゃ、絶対に周りの進化から置いて行かれちゃうと思うんで。ホントにトップ目指すっていう意識でやっててやっと食らいついてるって感じなんで、ホントにキツいところはありますね。

 

――しかもバンタム級っていう階級も、WECからUFCに変わって、どんどん目指してる人が増えてるというか。

 

水垣 そうですね。でも逆に、UFCになって大会数も増えたんで。WECだといまランキングに入ってる人たちとの対戦しかなかったのが、選手も増えたことでマッチメイクの幅も広がって、試合に負けたあとも、次の試合で若干自分を立て直す時間もできましたし。そういう意味では良かったかなって。

 

――なるほど。WECではトップランカーとの試合しかなかったのが、UFCになったら、チューンナップファイトとは言わないまでも、ランク外の相手と再起戦ができることで、自分を立て直すことができた、と。

 

水垣 そうですね。

 

――実際、水垣選手はこの5年間、勝ったり負けたりしながらも連敗はせずに、戦績が落ち込むことがなかったですもんね。

 

水垣 まあ、飛び抜けることもなかったですけど(苦笑)。

 

――でも、負けたあと、トップクラスに踏みとどまり続けるっていうことが、一番たいへんだったんじゃないかと思うんですけど。

 

水垣 もちろん苦しいんですけど、負けたあとの「次負けたらもう終わりだ」っていう危機感がるときのほうが、試合で粘れるんですよね。だから、若干追い込まれたほうがいいのかなっていうのはありますね。

 

――前回の日本大会で勝利したときの涙が印象的でしたけど。あのときは、かなり追い込まれてたんですか?

 

水垣 あのときは、その前の年の日本大会で負けて、その次の試合も流れたりして。やっともう一回日本で勝つチャンスが来たんで、“去年のリベンジ”みたいな気持ちが強かったんで。それで日本で勝てたのがうれしくてですね。

――でも、あのへんから波に乗った感じで、連勝がスタートしましたよね。

 

水垣 そうですね。

 

――勝ち続けるようになったのは、何か自分でつかんだ感じですか? 何か変わったところってありますか?

 

水垣 やっぱり、2年前の日本大会では固く勝とうとして負けちゃったんで。この闘い方を続けていても、そのときは勝てるかもしれないけど、どうせ上には通用しないじゃないですか。だから、やるなら全力で倒しに行って、「それで負けたらもう自分はこの程度だったんだ」って思うようにしようと思ってたんです。そこから一戦一戦、「これが自分にとって最後の試合になるかもしれない」っていう思いでやってるんで。自分で精神的にリリース危機みたいな気持ちに追い込んでやってきたんで、その追い込まれ具合が良かったんじゃないかなって思ってます。

 

――「負けたらあとはない」って自分を追い込みながらも、「負けたくない」という守りに入った危機感じゃなく、「もし、これで最後になっても後悔しない」闘いをしたわけですね。

 

水垣 そうですね。最後になるかもしれないんだから、自分の出せるものを全部出して、これで負けたらあきらめも付くっていうくらいの気持ちでやってきましたね。

 

——だからか、ここ数試合、凄いアグレッシブですよね。もうどんどん前に出てって。

 

水垣 やっぱり、2年前の日本大会の反省がそうさせましたね。

 

――そういう心境の変化があったんですね。練習でもスタイル変えるみたいな部分はあったんですか?

 

水垣 練習はそんなにないですね。試合での気持ちの持ちよう次第だと思って。

 

――その効果は大きかったですね。ここ数試合は勝負どころでしっかりとポイントを奪って、判定でしっかり勝つ試合が続いてますもんね。

 

水垣 でも倒しきれてないってのはやっぱり課題なんで。チャンピオンになる選手はやっぱり、しっかり倒して挑戦権を得て、チャンピオンになってるんで。課題はそこかなっていうのはありますね。

 

――でもここ数試合の内容は、かなり自信になってるんじゃないですか?

 

水垣 そうですね。とくに前回の試合ではランクの近い相手との対戦だし。それは自信にはなりましたね。それが次の試合の自信になってるかっていうと、またひとつふたつ上の選手とやるんで、そういう意味ではいつもどおり、追い込まれてる感はありますね。

 

――チャレンジしてクリアしたら、その上にチャレンジというのを続けている感じで。

 

水垣 そうですね。

 

――水垣選手は現在5連勝中ですけど、ここ2試合ぐらいは、いつタイトルマッチのチャンスが来てもいけるぞっていうような気持ちはありましたか?

 

水垣 それはもう、話さえ来ればいつでもやる気満々でいけると思います。もうチャンス次第で。

 

――それこそ、前回はもともとTJ.ディラショーとの試合が決まっていたわけですからね。そのTJが急遽、タイトル戦のチャンスをもらってそれをモノにしたので、自分もそういう位置にいるという。

 

水垣 そうですね。それは思ってますね。

 

――TJがヘナン・バラォンを破ってUFCバンタム級タイトルを獲ったのはどう思いました?

 

水垣 いや、まあそんなに意識はしてなかったですけど。でも、バラォンとTJだったらどっちがやりやすいかなーとかそういう目で見てました。

 

――なるほど。近い将来、タイトルを懸けて闘うことを見越して。

 

水垣 そうですね。

 

――ちなみに、どっちが闘いやすそうですか?

 

水垣 いや、どうですかね? やりにくさで言ったらTJのほうがやりにくいと思うんですけど。怖さで言ったらバラオンのほうが怖いかなって。そういうイメージです。

 

――バラオンは破壊力ありますからね。TJはつかまえにくいというか。今度対戦するドミニク・クルーズはどっちかって言ったらTJタイプですよね?

 

水垣 そうですね、だからやりにくいと思います。

 

――ドミニクはどんな印象があります?

 

水垣 いや、もう見たままですよね。的を絞らせてくれなくて、テイクダウンが強くて。で、負けない。5ラウンドやり続けられるっていう。

 

――いままでそういうタイプいました?

 

水垣 なかなか、いないんじゃないですか? あのレベルの選手自体がTJぐらいしかいないですからね。違いと言えば、ドミニクはテイクダウンの決定力が最終的な武器で。TJはどっちかっていうと打撃でっていう感じですかね。

 

――ドミニクがチャンピオンとして防衛を続けていたときは、これぞ最先端というか、未来の試合をやっているような感じでしたもんね。

 

水垣 そうですね。ほとんどラウンドも落としてないですし、強かったですね。

 

――「どうやったら、こいつを倒せるんだ?」っていう。でも、いまはドミニクの分析をして、だいたい闘い方のイメージとかは固まってますか?

 

水垣 もう、ドミニクうんぬんじゃなく、自分の闘いをするしかないですよね。最初は、ドミニクの試合映像もらって観てたら、「どうやって闘おう?」って迷ってたんですけど、結局、自分のできることをやるしかないので。それが通用しなかったらもう、無理だし。っていう感じですかね。

 

――ドミニク・クルーズはヒザ靭帯の負傷以来、今回がじつに3年ぶりの試合になりますけど、3年間の研究材料がないっていうのは不安な部分ではありませんか?

 

水垣 いや、3年間試合してないのと、3年間研究材料がないっていうのは、どっちがプラスかって考えたら、ボクのほうがプラスなのかなって。

 

――3年ぶりの試合って怖いでしょうからね。

 

水垣 そういうのはあると思いますね。

 

――ドミニクのほうも、ここで勝って元王者健在を示すか、負けて「やっぱり、大ケガで終わっちゃったな」って見られるかどうかの瀬戸際ですしね。

 

水垣 向こうにしてみればそうですよね。

 

――水垣選手からしたら、ビッグネームを倒して、いよいよタイトル戦に向かうための試合。

 

水垣 そうですね。ただ、ボクにとっても瀬戸際だと思うんですよ。さっきも言ったとおり、4度目くらいのビッグネーム相手の試合だし。ここで「やっぱり水垣はトップには通用しないのか」って思われるのか、チャンスつかむのかの瀬戸際です。

 

――ああ、UFCのマッチメイクってそうですもんね。何度かチャンスを逃したら、「こいつは、ここまでの選手」という烙印を押されかねない。

 

水垣 だから、ホントに分かれ道だと思います。

 

――では、試合に向けての仕上がり具合はどうですか?

 

水垣 ちょっと夏バテ気味で出遅れた感はあったんですけど、当日までにはいい感じでいけると思いますね。最近はもうほとんど減量幅がないんで。ちょろっと体重調整して、現地で汗出して。減量については全然問題ないです。

 

――いまはどんなことを重点的にやってますか?

 

水垣 やっぱり、組み負けないことですかね。組み伏せられちゃったら、自分のいいとこも出せないで終わっちゃうと思うんで。組みで勝負したら自分が勝つ見込みは少ないですけど、なんとかそこで粘れて自分の展開を多くするところから、勝機が少しずつ上がっていくのかなって思ってます。

 

――組み負けないようにするってのは、UFCで闘うための大きなテーマのひとつですよね。

 

水垣 ボクの場合は特にそうですね。組み負けちゃったら打撃ができないんで。そこはずっとやってきた部分ではあるんですけど、今回はとくにそこが重要だと思います。

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