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  • 2014.09.18

GK金沢克彦コラム #13

GK金沢コラム連載第13回!! 「スターダムに見た現代女子プロの新たな風景」

スターダムは女子プロ界の革命児!?

 先週13日、スターダムの新木場1stRING大会に出向いた。本当の目的はというと、今回の『ゴング』復刊号に無償で協力してくれたロッシ―小川社長、風香GM、紫雷イオなどにまだ『ゴング』がとどいていないと聞いたので、自宅にあったテレ朝『ワールドプロレスリング』プレゼント用に確保しておいた3冊を直接とどけに行ったのだ。まあ、プレゼント本に中邑真輔にサインを入れてもらって、ワープロのYディレクターに渡すのはまだ先でも大丈夫だから、それはそれでよし。それに、お世話になったメンバーには一応きちんと挨拶をしておいたほうがいい。

 

 前日、小川社長に電話を入れて、まだ本が届いていない件に関して謝ったのだが、温和な小川さんはいつもの感じ。反対に、「いえいえ、わざわざすいません」と言われてしまった。小川さんは私が『週刊ファイト』の新弟子記者として、人気絶頂のクラッシュ・ギャルズやレッド・タイフーンズ(※な・な・懐かしい!)、デビル雅美姉さんなどを取材していたころから、いつもフレンドリーに接してくれた人。私の場合、そういう恩義だけは忘れないタイプだし、人に恩を売ったなどという気持ちをはなから持ち合せていない人物に、より特別な好意を持ってしまう。まさにロッシ―小川という人もそういうお人好しタイプの典型的な人間なのだ。

 

 会場には試合開始時刻ギリギリの午後6時に到着した。本はまだ撮影準備に入っていない大川昇カメラマンに手渡して、せっかく来たのだから空いている席を見つけて観戦(取材)態勢に入った。じつは、スターダムの会場に来たのは2カ月ぶりで、7・10後楽園ホール大会以来となる。注目はメインの紫雷イオvs里村明衣子のワールド・オブ・スターダム選手権。王者のイオに女子プロ界“東の横綱”と称される里村が挑戦した注目の一戦だった。結果はイオの勝利に終わり、ついにⅤ10を達成。進化しつづける王者と、すべてを兼ね備えた挑戦者の試合にはいろいろと見るべき点が多かった。この1年で本物の強さを身に付けたイオと、敗れてなお強しという印象を残した里村。もう一度観てみたい試合だなあと思っていたが、その後、イオは世Ⅳ虎にベルトを奪われている。

 

 正直、2カ月前のホールで心に残ったのは、このメインの一戦だけ。それが率直な感想である。ところが、この日の新木場大会には驚かされた。現在、スターダムでは全12選手がエントリーし、2ブロックに分かれて総当たりリーグ戦を行なう『5★STAR GP 2014』を開催中。当日全7戦が組まれていたが、公式リーグ戦は6試合でそのどれもこれもがおもしろかった。本当に試合途中で中抜けして屋外の喫煙所に行こうとか、そういう気がまったく起こらないほど釘づけとなり、試合に集中してしまった。正直、年齢とともに飽きっぽくなったワタクシ金沢が、テレビ解説もないのにこれだけ集中できるのは極めて珍しいことなのだ。

 

 そこを興行的な面で分析すると、まず全7試合を組んでいながら、興行時間は正味2時間。この適度な時間がじつにいい。ほかの面で特別に気付いたことをあげるなら、ほぼ満席となった会場(285人)を見渡すとほとんどが男性客。けっこう丹念にチェックしてみたけれど、女性客の姿は10人にも満たなかった。これはかなりの驚き。また、男性ファンの年齢層は平均35歳ぐらいで、オタクとかマニアというより、ふつうのプロレスファンという感じがした。

 

 さらに驚いたのが、試合終了後の屋外の様子。凄いまじい数のファンが売店に立つ選手たちの前に列を作って並んでいる。つまり、自分のお気に入りの選手のグッズを本人から購入するため。あとで、関係者からまた興味深い話を聞いた。人気のある選手はいつまでも売店に立っているから、会場の後片付けをしなくていいそうなのだ。早くファンがさばけてしまった選手はそのまま会場に戻り片付けの雑用をこなす。これって、ある意味めちゃくちゃシビアな査定の場というか、結果が出るわけではないか? リング上の実力ではなく、人気の実力を売店で競い合っているということなのだから。

 

 これが、リング周辺を観た私の新鮮な発見や驚き。では、肝心のリング上はどうだったのか!? これにもまた驚きがあったし、「なるほどな!」と感心したり納得させられる部分が多々あった。

 

 まず、公式リーグ戦の試合形式がすべて15分1本勝負に設定されていたことに最初は違和感を覚えたのだが、これが実際すべてプラスに作用していた。たとえば、今年の新日本プロレス『G1  CLIMAX 24』に関して、ひとつ気付いたことがある。まず試合時間が短い。それでもギュッと短いなかで、中身が詰まっているからこそ、1日=10戦の公式戦が組まれていても長いと感じなかった。

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