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  • 2014.06.26

GK金沢克彦コラム #1

GKコラム連載第1回!! 「柴田勝頼と中邑真輔、10年越しのシングルマッチ」

そのときの素の感情をぶつけろ! 
柴田勝頼と中邑真輔、10年越しのシングルマッチ!



 2年前、『G1 CLIMAX』最終戦・両国国技館のリングに上がった柴田勝頼は、「新日本プロレスにケンカ売りにきました」と宣言した。それから1年、『G1』にエントリーした柴田は、「プロレスが楽しくなってきた」と語った。その5カ月後、1・4東京ドーム大会のベストバウトとも称された後藤洋央紀戦を終えたあと、「俺はいま青春している」と笑顔を覗かせた。時が経てば、周囲の環境は変化するし、それに伴って気持ちも変わっていくのはむしろ当たり前の現象だ。あの“世界一性格の悪い”鈴木みのるだってそうだった。
 
 プロレス界にカムバックして以来、「勝たなければ意味がない」と言い続けていた男が、『G1』を初めて体験し終盤にさしかかったころには、「なにか自分の気持ちが変わってきている。負けたけど、楽しい」と口にしたこともあるのだ。
 
 ただし、新日本参戦から2年を迎える今年の『G1』で、柴田は最初に宣言したセリフ……「ケンカ売りにきました」を本当の意味で見せつけなければならないときを迎える。かの中邑真輔と同ブロックにエントリー。しかも、公式リーグ戦の第1戦で交わることになったのだ。外野のファンはけっこうガヤガヤとやかましい。試合順がどうだとか、G1公式戦のなかに組み込むべき一戦ではないとか、いろいろな意見が交錯している。ただし、私からすれば、だまらっしゃいなのだ(笑)。こういうリーグ戦でなければ両者が交わるキッカケはこの先も生まれなかったかもしれないし、なにより過酷なシングルマッチの連戦が続く『G1』だからこそ、選手が五体満足な状態で臨める初戦に組まれたことは大いに喜ばしいことだろう。
 
 さて、柴田勝頼と中邑真輔。この業界では珍しいほど、お互いに嫌悪感を抱いてきた関係。過去のシングルマッチの戦績は3戦して1勝1敗1無効試合の五分五分だが、高校時代、レスリングの大会で顔を合わせたとき、1ポイント差で中邑が勝っている。なぜ、互いを嫌うのかというと、これはもう生理的に合わないというのもあるだろうが、後輩の真輔がデビューから特別扱いを受けてきたことに対する柴田のジェラシーがイチバン大きいだろう。
 
「あいつが総合(格闘技)なら、俺はK-1ルールでやってやる」。ふつうに考えて無謀としか思えない行動に柴田が打って出たのも、真輔への対抗心がなせる業だったのかもしれない。2003年11月、横浜アリーナで実際に柴田はK-1ルールで天田ヒロミに挑んでいる。ところが、その1カ月後、デビューから1年3カ月で真輔が最高峰IWGPヘビー級べルトを巻いてしまった。しかも、そのベルトを引っ提げて同年大晦日のK-1『Dynamite!!』に出陣。アレクセイ・イグナショフ戦は無効試合に終わったものの、翌2004年5月、『K-1 ROMANEX』でイグナショフに完勝。試合後、マイクを持って「今日のテーマ笑顔です」と会心の表情を浮かべた。
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