• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2014.08.21

両国大会、近藤修司戦で白星復帰! 飯伏幸太インタビュー(前編)「入場時と試合後、それぞれ違う理由で泣きました。入場のときの涙の理由は……」

7・4、新日本プロレス後楽園大会で試合中に脳震盪を起こし、その後欠場を続けていた飯伏幸太。その飯伏が、DDT年間最大のビッグマッチである『両国ピーターパン2014』で復帰を果たした。復帰戦の相手は、WRESTLE-1の近藤修司。あまり接点のないように見える2人だが、じつは師弟関係にあるという。試合翌日、あらためて2人の関係から、対戦を終えての感想までを語ってもらった。(収録日:2014年8月18日 撮影:菊池茂雄)


――昨日のDDT両国大会での近藤修司戦、お疲れ様でした。飯伏さんはあんまり、誰と闘いたいとか言わないイメージなんですけど、近藤戦はどうしてもやりたかったということで。

飯伏 そうですね。自分にとって、一番最初にプロレスというものを教えてくれた人が近藤さんだったので。それまで近藤さんの名前ってほとんど出してなかったんで、「ここにきてなんで急に?」って思った人も結構いると思うんですけど。

――そのあたり、記者会見などでも言われてますが、あらためて説明していただけたら。

飯伏 自分、7月でデビュー10周年を迎えたんですよ。10周年の少し前ぐらいかな、「あれ、10年前の自分ってどんなだったかな」とか、いろいろ考えたんですよ。そのときに最初に思い出したのが近藤さんだったんです。近藤さんは師匠というか、プロレスの根本的な部分を教えてくれた人なので。

――デビュー1年後のDragondoor旗揚げ戦のメインに出たあと、その後もレギュラー参戦して、悪冠一色(アーガンイーソー=近藤修司、“brother”YASSHI、菅原拓也、大鷲透、高木省吾のユニット)とよく対戦してたんですよね。

飯伏 そうです。それまでは近藤さんのことは知ってましたけど、絡んだこともないし、会場でも会ったこともなかった人だったんですけど。

――会見でも言ってたのは、「いまの自分のスタイルは、近藤さんとの闘いを通じて築いた」ということでしたね。近藤さんと会うまでの1年というのは、もちろんDDTでもプロレスは教わってたんですよね?

飯伏 もちろん基本的な受け身とかロープワークとか、そういうのは教わってました。ただ、言われることがバラバラだったんです。ひとりひとり全然違うし、自分でもこれを全部受け止めていいのか、これがホントに合ってることなのかっていうのがわからない状態だったんですよ。人によっては、「そんなのはその場その場で違うんだから」みたいな感じで言う人もいたり(苦笑)、どれを信じていいかわからない状態だったんですよね。

――そのなかで近藤さんの言ってることは正しいと思えた。それは単純に教え方がうまかったとか具体的だったってことですか?

飯伏 うまいというか、それまでの1年間、DDTの人とか、自分が出てた他団体の人っていうのは自分を誉めるだけだったんです。「君、凄いね」とか「速いね」とか「動けるね」とか「跳べるね」とか、そういう部分を誉めてくれるだけで、ボクも「これでいいんだ」って思ってました。

――でも近藤さんは違ったと。

飯伏 近藤さんは、自分の悪い部分しか言ってくれなかったんです。いい部分っていうのはもう見ればわかるんだから、そこはあえて言わない的な感じで。悪い部分、「ここはこうしたほうがいい」っていう部分だけを言ってくれたんで、凄く説得力があった。で、次の試合ではそれを言われたとおりに直すじゃないですか。そうするとたしかによくなるし、お客さんの反応も違いましたね。

――言える範囲だと具体的にどういうアドバイスですか?

飯伏 自分がいままで使ってた技に何かを付け加えるとか。例えば、コーナーにいる相手へのバク転キックはそれまでも使ってたんですけど、近藤さんのアドバイスにインスパイアされて、自分なりのアレンジでその前にロンダート(倒立からの1/4回転ひねり)を加えてみたら、お客さんが沸くようになって。

――近藤戦でも実際に使ってましたね。

飯伏 あとは、「こういう動きはそこで使うんじゃなくて、こういう場面がもし訪れたらそこで使うんだ」とか。そういうのを言われたとおりにやると、盛り上がりが全然違うんです。

――それまでは、あまり考えもせずに技を出せるところがあれば出してたというか。

飯伏 ただやりたいことを詰め込んでましたね。そこを、いらないものはいらないって部分を調整できたのも全部近藤さんのアドバイスのおかげです。

――足していくだけじゃなくて、引いたらそれ以外のところが光るよ、みたいな。

飯伏 そんな感じですね。

――近藤さんは「当時から『運動能力は凄いけど、あとはプロレスだけだな』と思ってた」と言ってました。

飯伏 要はそういうことです。でも、そのときは意味わかんなかったですよ。「なんでこの人、自分にだけ凄い怒るんだろう」とすら思ってました。こういうこと言うとアレですけど、ボク、怒られたことってあんまりないんですよ。

――業界の宝を怒るのは難しいですよ。

飯伏 だから「なんで他団体の人にこんなに言われないといけないんだろう」って思ってたんですけど、いま思うと完全に近藤さんの言うとおりなんですよ。ぶっちゃけ言われた瞬間はたまにイラッとしたりしましたけど。

――「俺、どこでも誉められてるんだけどな」みたいな。

飯伏 そうですそうです(笑)。「みんな誉めてくれるのに、なんでこの人は……わかんないのかな?」ぐらいに思ってた感じです(苦笑)。
>