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  • 2016.10.27

GK金沢克彦コラム #123

GK金沢コラム連載第123回!! 「東金サプライズ」

 

永田が東金興行で仕掛けたサプライズ! テンコジ25周年!!
 10月23日、2年ぶりに千葉・東金アリーナを訪れた。永田裕志が地元でプロモータ―を務めた興行なのだが、今回が通算6度目の開催。『Blue Justice〜青義結集〜』と銘打たれた大会である。

 たしか、永田本人から「今年の東金大会に金沢さんは来てくれますかね?」と訊かれたのは、9月12日の新日本プロレス・後楽園ホール大会だったと記憶している。

「はい、行きますよ。ひとつ心配なのは『ゴング』の校了に被りそうな日程ということだけなんだけど、まあ、なんとかなるでしょう!」

 
 さかのぼること24年半ほど前、日体大レスリング部から鳴り物入りで新日本に入門してきた永田。その入門記者会見を私は取材している。もう、そう書いただけで彼との関係はわかるだろう。ほとんど腐れ縁のように永田のことを取材してきたし、プライベートでの付き合いも長い。

 だから永田の興行とあれば、もう年中行事のひとつと捉え、行って当たり前、行かなくては罰があたると考えなくてはいけない。

 それから1カ月ほど経った10月13日に、永田からメールの着信があった。「ちょっと相談したいことがあるので、電話しても大丈夫でしょうか?」。「はい、いま自宅にいるのでいつでもかまわないよ」。

 すぐに電話がかかってきた。要件は自分自身のことではなく、パートナーというか仲間たちのことだった。

「テンコジのお2人が今年ちょうど25周年なんですよね。ほら、20周年となると会社のほうから動いてくれて、俺もそうだけどみんな記念興行をやったじゃないですか? だけど、25周年って微妙なんで自分から積極的に動かないかぎり記念大会ってなかなかできない。天山さん、小島さんもそうやって自分でなにかやってやろうっていうタイプでもないし、俺としてもなにか御祝い事みたいなカタチはできないのかな?と。それなら、東金大会がいちばん相応しいんじゃないかと思ったわけなんですよ」

「それはバッチリでしょう? メインで4人(永田、中西、天山、小島)がタッグを組むわけだし、いい舞台設定だと思うよ」

「そう思ってくれますか? ただね、なにか差し出がましいような気もしていてね。もちろん、やるならサプライズでお2人にはいっさい教えないでやります。だけど、そうやられて気分を害するとか、自分の舞台じゃないだろうみたいに思われたりしないかなって、そこが心配でして」

「いや、それはないって! ビックリするとは思うけど、絶対に喜ぶと思う。泣いちゃうことはあっても、ムッとするなんてあり得ない。それ、いいアイディアだね、天山も小島もきっと喜んでくれると思うよ」

「そう言っていただけると、心強いですね。そこで、ひとつお願いがありまして、なにか記念品を2人に渡してもらえませんか? 東スポ、週プロ、それにやっぱりゴングも。金沢さん、2人をずっと見てきているわけだし、ゴングさんからもぜひ記念のパネルみたいなものを贈ってもらいたいなあって」

「了解です。編集部に話して、大川君のほうに写真を探してもらうから。テンコジの写真なら、いいショットがかなりあると思うんでね」

「あ、ひとつ注意点というか、例のダブル選手権(IWGPヘビー&三冠ヘビー)のテンコジ対決の写真だけは避けたほうがいいかと思うんです」

「あれは、さすがにNGだわ(笑)。じゃあ、どんな写真が欲しいか直接2人に聞いてみようか?(笑)」

「だ・か・ら……2人には内緒ですからね(笑)。頼んますよ、マジで!」

「了解しました!」

というわけで、永田の素敵な極秘プロジェクトを聞いて、私もワクワクしてきた。その一方で、永田がそこまで2人に気配りすることに、すこし驚いていた。25周年のお祝いをサプライズでやりたいという気配りのことではなく、彼らがそれで気を悪くしないだろうか? そこまで考えていたことに驚いたのだ。

 以前の永田ならこういう企画は「イケイケ!」で進めていくと思う。だけど、今回は一旦立ち止まって、相手の心情をおもんばかっている。ここが人として年輪を重ねた部分なのだろうと感じた。入門でいえば、天山は2年先輩、小島は1年先輩にあたる。だけど、もともと普段から温厚な2人に対して、ほとんど同期の感覚で付き合ってきた。

 それでも、デビュー25周年という重みが永田が多少慎重にさせたような気がする。来年になれば、永田と中西が25周年を迎える。そのときの自分の心境を想像しながら考えたところもあるのだろう。この永田との会話を通じて、キャリアを積むこと、年齢を重ねること、若さにあらがってリングに上がること、時には自分の息子ほどの年齢のヤングライオンとも試合をすること。そういう立場にいる第三世代全員の気持ちを重く感じ取った。そう、私も今年キャリア30年を迎えたこともある。
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