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  • 2016.10.22

GK金沢克彦コラム #122

GK金沢コラム連載第122回!! 「プロレス西の聖地」

ドームのカードに大きく影響しそうな新日本本隊vsロス・インゴの4番勝負!

 新日本プロレスにとっては、年内最後のビッグマッチとして恒例化している大阪府立体育館大会が近づいてきた。ひと昔前も年内最後のビッグマッチは大阪府立で開催されていたのだが、当時は1210日前後に組みこまれていた。

 

 いずれにしても、この大阪大会の結果いかんによって、年明けの1・4東京ドームの概要が見えてくるという点だけは昔と変わらない。たとえば20年ほど前と比較して変化した点があるとすれば、この大阪大会につぎ込んでくる試合カードだろう。

 

 ひと昔、ふた昔前の大阪ではカード編成が弱ければ、会場に空席が目立った。反対に、両国国技館でもメインを張れるようなシングルマッチやIWGPヘビー級戦などをマッチメイクすると、どっと観客が詰めかけて超満員札止めとなる。

 

「大阪らしいなあ。みなさん、ちゃんとお金の落とし所をわかっているよ」

 

 その当時、我々マスコミもそう言って納得していたものだ。だけど、その反応こそファンのニーズがどこにあるかを思い知らされる現実だった。だから、私たちにとって大阪ファンの正直な反応は興行が魅力的なものなのかそうではないのかを量る基準にもなっていた。もちろん、これは新日本にかぎらず、全団体に共通することだった。

 

 それが2010~2011年あたりから、大きく変わった。もしかしたら、大阪におけるファンの変動は後楽園ホールよりも早かったかもしれない。新規ファンが増えたことにより、新日本が興行を打てば大阪府立が必ず埋まるようになったのだ。

 

 そこで、新日本もチャレンジに出た、その最たる例が2011年の1112大阪府立で開催されたIWGPヘビー級選手権をメインに据えた大会。王者は棚橋弘至で、挑戦者はIWGPヘビー初挑戦となる矢野通。

 

 このタイトルマッチはハッキリ言って冒険だったと思う。当時の矢野は、後楽園ホールで人気に火が点いて“後楽園ホール男”と呼ばれ始めていた。いま現在のような愛されるキャラではなく、かなりあくどいヒールスタイルの試合を身上としていた。それなのに大歓声を浴びる。当の矢野自身が戸惑うほどに矢野人気はひとり歩きしはじめた感もあった。

 

 そこで、棚橋との抗争がスタートし、ついに大阪でのIWGP戦が決定。これが後楽園ホールなら札止め間違いなし。ただし、大阪のファンはどんな答え、評決をくだすのか?

 

 結果的に会場は満員になった。この一戦がおそらく時代の転機になったのだと思う。その1年後の1111大阪府立では高橋裕二郎が王者・棚橋に初挑戦している。当時、CHAOSのR指定男として裕二郎がメキメキ売り出していたころだ。この興行も成功した。

 

 それ以降、新日本の大阪における勢いはとどまるところを知らない。新日本にとっても、関西のファンにとっても、大阪府立は完全に“プロレス西の聖地”となった。

 

 ……と、なぜこういう書き出しになったかというと、今回の11・5大阪大会のメインとして発表されていた内藤哲也vsマイケル・エルガンのIWGPインターコンチネンタル選手権が、エルガンの負傷欠場により急遽、挑戦者の変更をみたから。挑戦者はまさかのジェイ・リーサルだった。

 

 内藤vsエルガンの過去の戦績は3戦して内藤の3勝という結果が出ているものの、今年行なわれたG1公式戦(7・24後楽園ホール)、インターコンチ戦(9・25神戸ワールド記念ホール)はともに内容が素晴らしかった。まったくタイプは違うのに、その対照の妙がピタッとはまるのだ。

 

 さらに、リターンマッチを要求するエルガンが、1010両国の8人タッグ戦(棚橋&エルガン&KUSHIDA&リーサルvs内藤&SANADA&EVIL&BUSHI)で暴風のごとく大暴れして、内藤をエルガンボムに沈め強引にリマッチ権を獲得した。

 

 この短期間で3試合というのは短すぎるスパンともいえるが、この2人がからむと中身は鉄板の保証付き。その他セミファイナル以下のカードも充実しているから、大阪は文句なく超満員と予想された。

 

 ところが、この両国大会では異変が起こっていた。試合中、内藤の顔面狙いの低空ドロップキックがエルガンの左目にヒット。その結果、左眼窩底骨折によりドクターストップがかかり、エルガン欠場が決まってしまった。

 

 じつは、エルガンの怪我は重傷らしいという噂は早い段階から広まっていた。そのとき、マスコミ間で囁かれていたのは、挑戦者の本命は永田裕志、対抗がリーサルだった。先のG1公式戦で、内藤に土をつけたのはケニー・オメガ、柴田勝頼、永田の3選手。そのうち、ケニーは1・4ドームでのIWGPヘビー挑戦が決まっているし、柴田はNEVER無差別級王者だからインターコンチに挑戦する理由がない。

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