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  • 2016.10.06

GK金沢克彦コラム #120

GK金沢コラム連載第120回!! 「うっすらと見えてきた東京ドームへのアウトライン」

なにが起こるかわからない異臭がプンプン漂う新日本10・10両国大会!

 新日本プロレスの今年度、首都圏における最後のビッグマッチとなる1010両国国技館大会が目前に迫った。この大会以降となると、もう来年の1・4東京ドームまで首都圏の大会場での興行はないわけだから、新日本としてもかなり力を注いだ大会となっている。

 

 会場は、『G1 CLIMAX』最終戦と同様に、升席はすべて4人掛け。もちろん特設入場ゲートなどは作らずに、選手はふつうの入場通路からの入退場という形式。つまり、国技館の最大キャパ仕様となるわけだ。

 

 前売りチケットはけっこうな勢いで売れた。大会の1カ月ちょっと前に発表されたカードはメインのIWGPヘビー級選手権、オカダ・カズチカvs丸藤正道戦のみ。それなのに、あっという間に6割以上の前売り券がさばけてしまったという。

 

 これが理想的な展開というものだろう。オカダvs丸藤によるIWGP戦。たしかに、魅力的でタイムリーなカードである。なんと言っても、先のG1開幕戦(7・18札幌・北海きたえーる)のインパクトが絶大。両者は初遭遇だったが、終始ペースを握って離さない丸藤が虎王(二段式膝蹴り)からポールシフト式エメラルドフロウジョンでオカダに完勝したからである。

 

 オールドファンは、「さすが、丸藤!」と唸ったろうし、ビギナーのファンは、「丸藤ってスゲェ―な!」と感嘆したことだろう。いわゆるプ女子と呼ばれる人たちは「オカダさんが負けるなんて……」と涙したのかもしれないし、「初めて観たけど丸藤さんて、身体は大きくないのに強くて素敵ぃ~」と丸藤サイドに寝返ったのかもしれない。

 

 ともかく、この一戦、この1勝だけで、丸藤正道の存在感が全国区で際立った。丸藤自身も多少戸惑っていたように、その後はどの会場へ行っても外敵扱いというか敵視される雰囲気がない。むしろ、新日ファンからは「ウェルカム」の空気で迎え入れられた。

 

 さらに、今回のタイトルマッチは王者オカダから指名するカタチで決定をみている。これによって、なんとなく漂う挑戦者・丸藤の格上ムード。いわば、アドバンテージは丸藤にあり。これが、ひさびさに遺恨とか因縁のない純粋な実力勝負、腕試しというムードを盛り上げているわけだ。

 

 そりゃあ、チケットも売れる。オールドファンだって、ビギナーだって、プ女子さんたちだって、「あの続きが観たい!」、「この試合は見逃せない!」と思うのは当たり前だろう。

 

 ただし、そういう純な空気(?)も、いざ大会が近づいてくると、若干変化してくる。否応なしに1・4東京ドームにつながる大会だから、みんなそちらに頭がいくし、勝負論を意識しはじめるのだ。

 

 オカダが勝ってG1のリベンジ達成、そして王者としてドームへ。それがふつうというか、新日本としても新日ファンとしても理想的であり、めでたしめでたしの結末。だけど、いまの新日本マットではなにが起こるかわからない。なにが起こっても不思議ではない。そういう異臭がプンプンしているのだ。

 

 だいたい、G1開幕前に、ケニー・オメガの優勝を予想した人間がどこにいるだろうか? 仮にいたとしても、それはふつうに本命・対抗となる選手を推してもつまらないから、予想がはずれることを承知のうえで、ケニーを推したに過ぎないだろう。つまり、シャレみたいなものだ。

 

 そこでいま冷静に考えてみると、ケニーのG1制覇に比べたら、丸藤がオカダに2連勝してIWGP王座を奪取することなど、とくに事件でもなんでもない。ふつうに起こり得ることだと思うのだ。

 

 では、仮に丸藤が両国でIWGP王者になったら、その後はどうなるのか? まず、新日本というよりCHAOSが黙っていないだろう。ここで、石井智宏の出番がやってくる。

 

 この状況に唯一、待ったをかけられる人物が石井。というのも、石井はG1公式戦で丸藤からもオカダからも勝利をあげているからだ。

 

「このままドームには行かせない。大阪で丸藤に挑戦させろ!」

 

 石井がひと声そう吠えてくれれば、最後の砦の大会とも言うべき115大阪府立体育会館大会で、丸藤vs石井のタイトル戦が実現。

 

 その結果しだいで、丸藤が王者としてドームに上がるのか、石井が王者としてドームの花道を歩くのかが決まる。そして、1・4東京ドームのIWGPヘビー級選手権は、丸藤vsケニー、丸藤vs後藤か、石井vsケニー、石井vs後藤という4通りの図式が出来上がる。

 

 個人的には、石井智宏vsケニー・オメガ戦を観てみたい。それがドームという巨大な器に映えるかどうかはわからないのだが、石井vsケニーの顔合わせなら凄まじいタフマッチ、スリリングな名勝負が展開されるような気がする。べつに、東京ドームではなくてもいいから、ぜひ実現してもらいたい一戦なのだ。

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