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  • 2016.09.22

GK金沢克彦コラム #118

GK金沢コラム連載第118回!! 「丸藤正道取材後記」

丸藤の口から語られるプロレスの奥深さ!
 今月30日(金)発売の『ゴング』第17号用に丸藤正道のインタビューを行なった。しかも、ゴング編集部からの依頼ではなく、私自身が希望した企画だ。本来なら、前号(16号)の『G1大特集』のときにやりたかった企画なのだが、G1終了後も丸藤は多忙のためスケジュールがとれなかった。それもあって、今回にずれ込んだわけである。

 もちろん、丸藤にインタビューするのは初めてのこと。過去に何度も書いたように、ゴングが復刊して個人的にいちばんよかったこと、楽しみというのは、これまでインタビュー取材をしたことがない選手とインタビューを通じて対話できること。

 

『週刊ゴング』時代には、あの棚橋弘至にさえインタビューしたことがなかった。棚橋がデビューしたのは1999年10月のこと。すでに私は週刊ゴングの編集長を務めていた。

 

 当時の感覚でいうなら、棚橋といえども将来有望なイチ若手レスラーという趣き。やはり、私の出る幕ではなく、新日本プロレス担当記者が取材するのが当たり前のことだった。

 

 私が週刊ゴングと決別してから、新生ゴングが復刊するまでの約9年間。単行本の取材のためであるとか、どこかの紙媒体の依頼を受けてとか、そういう特別なケース以外では選手のインタビュー取材という仕事はほとんどすることもなかった。だから、その空白の9年余を埋めるようなインタビュー取材はじつに楽しい。

 

 その棚橋をはじめ、オカダ・カズチカ、後藤洋央紀、内藤哲也、本間朋晃、石井智宏、柴田勝頼、ヨシタツ、BUSHIといった新日本勢。大日本プロレスの関本大介、フリーの飯伏幸太、鈴木秀樹などなど。さらに、ゴングを飛び越えて『週刊ファイト』時代以来となる女子プロ選手にもインタビューした。里村明衣子と紫雷イオ。

 

 本当に楽しい。いま現在、リアルタイムで活躍している選手たちにリアルタイムの話を振って、インタビュー記事にすることは、自分がリアルタイムを追い掛け生きている証明にもなる。それがあるから、自分の感覚もジジイ臭くならないのではないかと勝手に自負している部分もあるのだ。

 

 さて、丸藤に関しては、今年の『G1 CLIMAX 26』が終わった時点で、すぐに話が聞きたいと思った。開幕初戦(7・18札幌・きたえーる大会)のメインでオカダ・カズチカに完勝した衝撃にはじまって、石井智宏とは予想通りガッチリ噛み合う名勝負を残し、SANADAとの初対戦、棚橋との4年ぶりの天才vs逸材数え唄、後藤との時間差ロープワーク対決など、とにかく丸藤絡みのカードはすべてが新鮮で、同時に必ず無言のメッセージが伝わってきたからだ。

 

 本当に、丸藤という存在がいたからこそ今年のG1は試合内容に厚みが増していたと思う。さらに、オカダに破った実績からオカダが逆指名するカタチで1010両国国技館で、IWGPヘビー級王座挑戦も決定した。

 

 この両国大会は、カード発表と同時にチケットがグ―ンと伸びて、大会1カ月前の時点で6割以上の前売りが出たという。しかも、G1最終戦仕様である升席は全席4人掛け。それほど新日本も自信を持って組んだカードだろうし、おそらく超満員は確実だと思う。

 

 この4年ぶりとなるIWGPヘビー挑戦に関しても聞いてみたかった。とにかく、聞いてみたいことだらけの丸藤インタビューだったので、取材時間は1時間半にも及んだし、我ながら珍しいほどウキウキして、まるで新人記者のように素朴で単純な質問を丸藤にぶつけてみたりした。

 

 まあ、あまりいろいろ書いてしまうと、30日発売のゴングへの楽しみが減ってしまうので、ここではちょっとテーマを絞って丸藤語録を紹介したいと思う。

 

 それこそ、私が「うーん」と唸り、「へぇ―」と驚いた話である。

 

 ひとつは、7・28所沢大会で実現した石井智宏戦のこと。もちろん、両者は初遭遇。垂直落下式ブレーンバスターで石井の勝利という結果は意外でもあったが、勝った石井が「俺がどうこう言える次元の選手じゃない。予想通り、いや予想以上の選手だよ」とコメントしたのがすべてのような気もする。

 

 なんせ石井は自分の試合に満足したことなどないし、対戦相手を褒めることもめったにない。今年のG1のベストバウト候補といわれるオカダ戦(8・6大阪大会)に関して、私が「大阪のオカダ戦はよかったねえ。会心の試合ができたんじゃないの?」と聞いても、「いやあ、まだまだッスよ」と首を振るくらいなのだ。あれで、まだまだなら、いったいどこまでいけば満足、納得できるのだろう? 

 

 話を戻して、丸藤vs石井戦。丸藤は石井に対する印象が試合前と試合後では180度変わったという。

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