• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2016.08.25

GK金沢克彦コラム #114

GK金沢コラム連載第114回!! 「KUSHIDAの新日本エース宣言」

やや盛り上がりに欠けた『SUPER J-CUP 2016』の中で
充実した闘いぶりを見せたKUSHIDA!

 8月21日、有明コロシアムで『SUPER J-CUP 2016』(以下、J-CUP)決勝トーナメントが開催された。観衆は3041人と6割ほどの入り。もっと埋まると予想していたので、やや寂しい感もあった。

 

 ただ、これも致しかたない部分がある。日程的な問題からJ-CUPの機運が今ひとつ盛り上がりに欠けたような気もするからだ。1回戦が行われたのは、ちょうど1カ月前の7・20後楽園ホール。こちらは超満員(1606人)の観客を動員している。

 

 ただし、2日前の7・18札幌・北海きたえーるで『G1 CLIMAX 26』(以下、G1)が開幕しており、同じ週の22日、24日にもG1が後楽園ホールで開催された。G1の真っただ中にポツンと置かれたJ-CUPという感は拭えない。無論、大会は盛り上がったし、おもしろかった。とはいえ、ここからまたプロレス界は真夏の最大イベントG1モードに入ってしまうから、1カ月空くとどうしても1回戦の印象は薄くなり、余韻はどこかへ行ってしまうのだ。

 そのG1は8・14両国国技館で4週間にわたる長いツアーを終えた。それから1週間後に迎えたジュニアの祭典・決勝トーナメント。

 これは気のせいなのか、私だけが年齢からくるスタミナ不足でバテてしまったのか、なんとなくマスコミ勢にも大会スタッフにも元気がないように感じた。G1ツアー4週間、しかもラストに待っていた両国3連戦のダメージはデカイ。両国3連戦で燃え尽きた夏……そんな空気がまだ漂っていたようにも思う。

 

 もしかしたら、そこも観客動員の不調につながったのかもしれない。私たちだけではなくて、ファンもG1で燃焼してしまった。とくに新日ファンであれば、やはりそちらにエネルギーもお金も注いでしまうのは仕方のない話となる。

 

 今さら言っても始まらないのだが、これがG1から1カ月くらい置いての秋開催で、1回戦~決勝トーナメントまで中3日とか中1週間とか余韻の残る状態で行なわれていれば、また観客のノリもマスコミのノリも違っていたのではないだろうか?

 

 あとは、強いていうなら、日本時間の同日朝に中邑真輔がWWE・NXT『テイクオーバー』ブルックリン大会で、サモア・ジョーの保持するNXT王座に初挑戦。NXTデビューからわずか4カ月半でベルト奪取に成功したことも大きなニュースとなった。

 

 私も『WWEネットワーク』で観戦したが、内容も素晴らしかった。まして、サモア・ジョーという選手にも思い入れがある。デビュー間もないサモア・ジョーが出世の糸口を見つけたのは日本のZERO-ONE(現ZERO1)マットだった。2001年、旗揚げしたばかりの同団体の『火祭り』リーグ戦に出場。ゴッツイ体格でよく動けて空中戦もなんなくこなすジョーは大当たり外国人だった。翌年の『火祭り』にもエントリーして、ジョーの名前は徐々に轟いていく。

 

 いま、37歳と円熟味を増したジョーは、あのデビュー当時と同じくSTFを使い、マッスルバスターを使い、トぺスイシーダまでやってのける。グラウンド・レスリングでも中邑に引けをとらない強さを垣間見せた。そんな強いジョーをキンシャサで堂々と破り、ファンの大喝采を浴びた中邑。いまや、NXTにおける唯一無二の存在となった。この分では、ロウ、スマックダウンへの昇格はまだ先送りになりそうだ。シンスケ・ナカムラがいなければ、NXTの興行は成立しないと言いきっていいからである。

 

 そういった面も含めて、マスコミの立場でどちらのニュースが大きく、とくに週刊誌としてはどちらを表紙に選択するかとなれば、これはふつうに中邑の快挙達成のほうとなる。案の定、週刊プロレスの表紙は中邑。どちらにインパクトがあって、どちらがより売れるかを予測し選択を迫られたときそうなるのは当然なのだ。

 

 なんとなく、冒頭からネガティブな言いまわしになってしまったが、1日=3試合、しかも拳王(ノア)、タイチ(鈴木軍)、金丸義信(鈴木軍)と一癖二癖どころか、タイトルマッチで対戦してもおかしくないメンバーを連破して優勝したKUSHIDAは、本当に立派だったと思う。

 

 試合後もポジティブな発言を連発する、いつものKUSHIDA。おそらく、肉体的なダメージには相当なものがあったと思う。それでも絶対に崩すことのないKUSHIDAというレスラーのイメージ。本来であれば、G1覇者に劣らないほど称えられるべきだろう。新日本のジュニアのエースから、日本のジュニアのエースへ。メンタル面も含めて、KUSHIDAの充実ぶりは称賛に値する。

>