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  • 2016.07.21

GK金沢克彦コラム #109

GK金沢コラム連載第109回!! 「G1&『SUPER J-CUP』、怒涛の3日間」

真夏の祭典とジュニアの祭典が開幕! 

 7月18日~20日、怒濤の3日間だった。まず、18日の祭日(海の日)に、新日本プロレス真夏の祭典『G1 CLIMAX 26』が北海きたえーる(札幌・北海道立総合体育センター)で開幕。今年のG1のキャッチコピーは「ギラギラの夏、メラメラの闘い。」なのだが、まさにギラギラでメラメラ、略して「ギラメラ」な試合がこれでもか!と繰り広げられた。

 

 開幕戦ではAブロック公式戦が5試合。まず、小島聡から出場権を譲渡された天山広吉が小島とともに入場して、石井智宏と対戦。じつはこの顔合わせ、シングルマッチとなるとありそうでなかったもの。天山の記憶では「一度だけ、福岡で(シングルを)やった記憶があるくらいですね」となる。つまり、G1でも『NEW JAPAN CUP』でも当たったことがないのだ。

 

 しかし、当然のごとく噛み合った。天山への声援は異常なほど。ただ、この試合を冷静に見ていると、ますます石井の上手さ、凄みが際立ってくる。あの天山と頭突き合戦に挑んで退かないタフネスぶり、つねに自分のポジションを念頭においた試合運び。放送席で解説についていた私は「両者とも猪突猛進タイプですからね!」と言いつつも、内心では石井の試合巧者ぶりに感心していた。

 

 真っ向勝負の末に、天山がムーンサルトプレスで初陣を飾ると、もう館内はお祭り騒ぎ。セコンドで一緒に闘っていた小島は泣いてしまうし、まるで開幕初戦で優勝が決まったかのようなムード。おそらく、これは天山にしか出せない空気感。危うさ、強さ、もろさ……天山は試合を通じて人間の持つ、あらゆる感情を表現してしまう。いや、露呈してしまう。

 

 それが、もの凄く格好よかったり、最悪に格好悪かったりもする。だから、みんなが天山に惹かれるのだろう。いつの間にか感情移入して、天山と一体となってしまうのだ。とにかく、第1戦から大爆発である。

 

 そして、初対戦の極上カードが並んだラスト2は圧巻だった。まず、2012年の2・19仙台大会(第2回『ALL TOGETHER』)の6人タッグマッチ(棚橋&諏訪魔&森嶋vs内藤&真田&潮﨑)で一度だけ絡んで以来の対戦となる棚橋弘至vsSANADA戦。

 

 棚橋にとっては2カ月ぶりの復帰戦となるが、真価を問われていたのはSANADAのほうだろう。新日本マット参戦以来、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーとしてヒールにキャラチェンジしたSANADA。この3カ月で彼が披露してきたものは運動神経のよさと身体能力の高さ、受けの上手さだけだったと思う。

 

 これが溜めとなって爆発するのか、あるいは棚橋戦でもそこまでに止まるのか? 本来、好青年であることは間違いないのだが、無口で掴みどころのない性格のSANADAだけに、試合をやってみないことにはわからない。期待感と不安が交錯するなか、SANADAがついに爆発した。

 

 棚橋のハイフライフローをカウンターのRKOで叩き落とし、武藤譲りのラウンディング・ボディプレス2連発から、トドメのSkull Endで棚橋からタップを奪ったのだ。完璧な勝利。これぞ、100%の真田聖也。これを披露するために今まで溜めに溜めてきたと、ようやく言えるような勝利だった。ゲスト解説のライガーなどは、RKOが出たときから「スゲェー、スゲェー」の連発。ライガーがここまで興奮してくれるから、よけいにSANADAの魅力が際立ったと思う。
 

 メインもインパクト満点だった。正真正銘の初遭遇となるオカダ・カズチカvs丸藤正道戦。試合は丸藤の巧妙な右腕攻撃が軸となって進んでいく。こちらのフィニッシュシーンも圧巻だった。高角度ジャーマンスープレックスからレインメーカーの必殺フルコースに入ったオカダに対し、その右腕に虎王(二段式膝蹴り)を打ち込んで防御した丸藤は、すかさず正調の虎王からポールシフト式エメラルドフロウジョンでオカダを垂直にマットに突きさした。こちらも完勝。このG1の結末がどうなろうと、この1勝で丸藤はIWGPヘビー級王座挑戦をリザーブしたと言っていいだろう。

 

 それにしても、このフィニッシャーに関しては少々、私も自慢したいところ。私が自慢してもしょうがないかもしれないが、私が解説で言わなければフィニッシャーの名前が放送中に出ないまま終わったかもしれないからだ。常日ごろ私の言動に厳しい(笑)、あの三田佐代子さんにさえ、「金沢さん、よくあのフィニッシュ技の名前が出てきましたね。あのエメラルド式でしたっけ? ポールシフト式でしたっけ?」と褒められたのである。ちなみに、三田さんとは仕事で20年近い付き合いになるが、褒められたのは初めてかもしれない。

 

 それに、いまテレ朝関係でもサムライTV関係でも試合中継のフロアディレクターを担当しているのは、プロレス技にはほぼ万面なく通じているという頼りになるSさん。最近の技名はじつに難しかったりするのだが、たとえばアナウンサーが技名を言えないとき、私でもフォローできないときなどに、Sさんはすかさず手持ちの小さなボードにサラサラっと技名を書いて、アナウンサーに見せる。

 そういう連携があって放送が成立しているのだ。ところが、今回ばかりはそのsさんでも技名が出てこなかった。というのも今回、丸藤が使ったポールシフト式エメラルドフロウジョンは、公開するのが3度目。厳密に言うと、狙って出したのは2度目となるからだ。

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