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  • 2016.06.19

GK金沢克彦コラム #104

GK金沢コラム連載第104回!! 「6・19大阪決戦直前! 内藤を取り巻く包囲網」

IWGPヘビー級戦との勝負を宣言!

NEVER王者・永田とIWGPジュニア王者・KUSHIDAの主張!!

 今週のコラムは遅くなった。基本、毎週木曜の正午更新で動いているのに、いま原稿を打っているのは18日、土曜の深夜だ。まことに申しわけない。いま、『ゴング』編集部は30日発売のゴングvol.15の制作作業でてんてこ舞い(※死語か?)していることだろう。

 

 私も同じく多少パニくった状態ながら、ようやく本稿に手をつけたところなのである。

 

 さて、決戦が10数時間後に迫ってきた。新日本プロレス上半期最大の興行となる6・19大阪城ホール大会。メインはもちろん、IWGPヘビー級選手権、内藤哲也vsオカダ・カズチカ戦である。

 

 4・10両国大会でついにオカダから待望のIWGPヘビー級王座を奪い、さらに会場の空気まで完全制圧してのけた内藤。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(以下、ロス・インゴと略)のメンバー総動員で、さらに新たなパレハ(相棒)であるSANADAまで介入させての戴冠劇。それでも会場には内藤支持の声が渦巻いた。

 

 ラストシーンもインパクト満点。あれだけ一心不乱に追いつづけてきたIWGPのベルトをリング中央に放り投げて、退場したのである。直後、バックステージで共同インタビューに答える内藤のもとへ、新日本スタッフがベルトを持ってきた。すると、すかさず「ほら、ベルトのほうから俺を追いかけてきた」とうそぶいた。完璧なオチだった。

 すべてが内藤ペース、内藤の手のひら。オカダも観客も、マスコミも内藤の手のひらで踊らされたのだ。

 

 つづく、5・3福岡大会(レスリングどんたく)も同様だった。挑戦者の石井智宏をさんざんこき下ろし、ロス・インゴのメンバーを乱入させながらも、最後はキッチリと石井を仕留めた。「消化試合だ」と言いながらも、内容では魅せる。卓越したプロレスセンスと、周囲を煙に巻きながらも異常な説得力を持つコメントの数々。またも、内藤の手のひらだった。

 

 この試合のテレビ解説についていた山崎一夫さんが名言を吐いた。

 

「棚橋選手には華がある、オカダにも華がある。だけど、内藤には毒がある。華か毒か、どちらかなんですよ」

 

 このセリフに棚橋も同調した。

 

「内藤は完全に自分を振り切った。ボクにもこんな内藤は想像できなかったんだから、ファンの人たちも想像できなかったでしょう? たとえば、ケニ―(・オメガ)はあれだけヒールとして悪いことをしていても、どこかで彼の人間性が出てしまう。そうすると、ケニ―は本当はいい人だからって、みんなむかしのケニ―を思いだして気付くわけです。内藤ぐらい振り切ってしまうと、その説得力はますます強くなってくる」

 

 5年前、棚橋は自分の後を継ぐ者No.1候補は内藤であると信じて疑わなかった。内藤も自信以上の確信を掴みかけていた。ところが、そこに突然変異ともいうべきレインメーカーが現れた。内藤のすべてをあっという間にオカダがさらっていったのだ。

 

 落ち込み、葛藤し、嫉妬し、苦悩した内藤。その答えがこれだった。自分の本音をさらけ出すことだった。今回の大阪城ホール決戦へ向けても、ほぼ内藤ペース。オカダの主張は、セコンドなど介入させずに「1対1でやろう!」である。

 

 一方、内藤が最後に吐いた言葉は、「試合なんかより大阪のお客様の反応が楽しみです。全国で俺にブーイングを浴びせていたお客さんが手のひらを返した。大阪のお客さんはどうなのか? できれば、大阪の意地を見せてもらいたいものですね」だった。

 

 一枚も二枚も上をいっている。「1対1でやろう」の要望に対しても、明確な返答はしていない。矛先を観客、ファンへ持っていった。そして、もうひとりの宿敵(?)木谷高明オーナーもついに来場する。『NEW JAPAN CUP 2016』が開幕した3月アタマから、新日本マットは内藤が掌握している。この3カ月半、内藤が新日本の主役。2013年の『G1』を制覇し、「新日本の主役は俺だ!」と内藤が叫んでもだれもついてこなかったのに、いま新日本マットの主役として新日本を牛耳っているのだ。

 

 ところが、そういう風潮に異を唱えるものが必ず出てくるのが世の常というものだ。しかも、それに異を唱える者に同調するファンも必ず出てくる。だからこそ、おもしろいのだが、今回の大阪城ホールは、内藤と“反・内藤”を掲げる男たちが勝負する場としても格好の舞台となりそうだ。

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