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  • 2016.05.26

GK金沢克彦コラム #101

GK金沢コラム連載第101回!! 「WWEに目にモノ見せてやる」

さながら『ジュニアワールドリーグ戦』の様相を呈している今年のBOSJ

王者・KUSHIDAが2連敗スタートの異常事態!!

 今大会は本命なきリーグ戦と言われる『BEST OF THE SUPER Jr. ⅹⅹⅢ』(以下、BOSJ)が5・21後楽園ホールで開幕し、現在前半から中盤に入ろういうところだ。明日(27日)の後楽園ホール大会では、Bブロック公式戦が行なわれメインでリコシェvsウィル・オスプレイ、セミでは獣神サンダ・ライガ―vsボラドール・ジュニアの極上カード2試合が実現する。

 

 リコシェvsオスプレイはハイフライヤ世界No1決定戦と称されるように、いま世界中のプロレスファンがもっとも注目する一戦といっていいかもしない。イギリス出身でキャリア4年、23歳のオスプレイだが、そのアンビリバボーな跳躍力、度胆を抜く空中戦であっという間に、アメリカ、イギリスのインディーシーンに名を轟かせた。

 新日本マット初来日の試合も記憶に新しいところ。来日前から、オカダ・カズチカにスカウトされた格好でCHAOS入り。その第1戦の舞台が4・10両国国技館となり、KUSHIDAの保持するIWGPジュニア王座にいきなりチャレンジ。

「スモウアリーナの大きさ、観客の数に驚いた」とオスプレイ自身も振り返っているように、おもにインディーマットで腕を磨いてきた彼にとって、両国国技館は初めて経験する大きな器だった。

 しかし、この若者はやはりモノが違った。噂の空中戦の凄まじさは期待通りだった。それ以上に感心したのは、若い選手にありがちな技の品評会で終わらなかったこと。攻めの場面でも、受けにまわっても、しっかりと地に足が着いたプロレスを披露していた。

 

 戦前、KUSHIDAは新日本ジュニアのエースの誇りにかけて、「飛んだり跳ねたりだけじゃ、このベルトは取れない。それをチャンピオンとして証明します」と釘をさした。同時に、ある意味エールであり期待感の表れでもあるのだろうが、そのKUSHIDAの言葉にオスプレイは充分応えた格好でもある。

 

 オスプレイとリコシェは過去、米国、英国のインディー団体で何度か対戦済み。どれも内容は素晴らしかったと聞いている。直近では、WWE『レッスルマニア』ウィークの最中、4・2シカゴの『EVOLVE』というインディー団体で対戦。キャリアでいくと3倍にあたるリコシェを相手に、まったく遜色のない攻防を披露したという。

 

 おまけに同日、同じくダラスで別のインディー団体『WWN』大会に出場したオスプレイは、6人タッグながらあの飯伏幸太と初対戦。素晴らしい空中戦の競演を展開した。

 

「ボクもむかしハイフライヤと言われていましたけど、今日はどうも自分だけがオッサンのように感じて(笑)。試合もひさしぶりなんでヤバイかなと。オスプレイは新たなハイフライヤのベストでしょうね。高いクオリティを持ってます。あの若さ、キャリアでいくとあり得ない。自分よりも凄いかなと思いましたね」

 

 かつて、天才の名を欲しいままにした飯伏も、そのプロレスセンスに脱帽した格好だ。ただし、新日本マット初来日前に、6人タッグとはいえ飯伏のシットダウン式ラストライドにフォール負け。その事実は残ってしまう。

 

 そこは、飯伏に対して穏やかとはいえない感情を持つ、KUSHIDAにとって絶対に負けられない理由ができたわけだし、2年前、BOSJを制覇して、当時のIWGPジュニア王者・飯伏に挑戦しながら敗れたリコシェにも負けられない理由のひとつとなるだろう。

 

 この公式戦で、「リコシェ2号」と呼ばれつづけてきた屈辱(?)を晴らし、オスプレイ1号を目指す天才ハイフライヤと、「あいつは以前の俺によく似ている。成功しようとギラギラしているところも似ている。だけど、俺にあってあいつにないものが経験だよ」と言いきるリコシェ。互いに意識しまくりだ。

 

 おそらく試合終了と同時に、世界へと発信されるであろうリコシェvsオスプレイ公式戦の結果。外国人同士による後楽園ホールのメインイベント。いい試合は保証付きだが、ガイジン決戦でここまで負けられない試合となるのも珍しい。

 

 セミのライガ―vsボラドール・ジュニアも因縁カード。この10年、メキシコCMLLのスペルエストレージャとして、つねにトップに君臨してきたボラドール。その間、時代を彩ってきたスターには初代ミスティコがいたし、ラ・ソンブラもいた。さらに、別格のレジェンドであるアトランティスもいる。そんななか、ミスティコ、ソンブラが離脱してWWEへ移籍していくなか、一途にCMLLを守り抜いた男がボラドール。

 

 今回は、『FANTASTICA MANIA』のボラドールではなく、CMLL代表のボラドールである。そういえば、2012年1月の『FANTASTICA MANIA』で待望の初来日を果たす直前のボラドールに関して、棚橋弘至と中邑真輔がじつに高く評価していたことを思いだす。

 

「半端ない動きで、なにがどうなっているのかわからないときもあるくらいで。しなやかで柔軟なレスリングをするし、男前だし、欠点がないからイライラしますよね(笑)」

 

 棚橋は2009年にTNA遠征に出向いたとき、現地で活躍していたボラドールと出会っている。

 

「初対面で挨拶したら素っ気なくされてね、でも次に会ったときはぜんぜん違って、『キミは日本の凄いビッグネームらしいじゃないか? ビックリしたよ、いろいろ話そうぜ』って。インターネットで調べたんでしょうね。まあ、それから仲よくなったんで悪い気はしなかったです」

 

 また、たびたびメキシコに出向いていた中邑もボラドールには大いに関心を示していた。

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