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  • 2016.04.22

GK金沢克彦コラム #96

GK金沢コラム連載第96回!! 「4・20『王道』旗揚げ戦」

曙の新団体はハチャメチャなルチャあり、ド迫力ファイトあり!

 昨日(20日)、『ゴング』第13号を校了。私の担当分を早めにデザインして送ってもらい、校正を済ませて『王道』旗揚げ戦となる「王道 THE BEGINNING」(4・20後楽園ホール)の取材に出向いた。

 

 平日ということで試合開始時刻は午後7時。その15分前に受付けを済ませて正面入り口から入ると、ジャイアント馬場がいた。いや、例のガウン姿の馬場さんの等身大人形がどーんと出迎えてくれた。

 

 その隣に馬場元子さんが座っている。「元子さん、ご無沙汰してます。金沢です。今日はよろしくお願いします」と挨拶すると、「あらっ、よろしくお願いしますね」との返答。

 

 何年、いや何十年経とうが元子さんには頭が上がらない。もう、そういう習性が身体に染みついている。

 

 私が、『週刊ファイト』の新米記者時代はずいぶんと可愛がってもらった。ファイトは新日本寄り、猪木寄り新聞と言われていたし、実際そうだったのだが、そう思われているなか、健気に(?)全日本プロレスの会場、事務所、道場に取材で足を運ぶ私のことを見ていてくれたのだろう。

 

 だけど、私が『週刊ゴング』に移籍して、新日本プロレス担当になってからは、口をきいてくれなくなった。1999年1月、ゴングの編集長に就任したが、馬場さんが亡くなってしまったため、就任の挨拶をしたのは2月に入ってから。そのときも、けっこう冷たかった(苦笑)。

 

 2000年に入り、全日本が分裂、ほとんどの選手がノアへ走り、全日本が存続の危機に陥り、起死回生策として新日本との対抗戦、さらに武藤敬司が救世主として両団体を股にかけ八面六臂の活躍を見せているころ、私は完全に“武藤番”の編集長だったこともあり、元子さんは私を頼りにしてくれた。

 馬場さん亡きいま、やはり元子さん、アントニオ猪木はスペシャルな存在。こういう人たちと直接、接してきた世代の人間もめっきり減ってしまった。と、思いながら、バックステージのほうへ行くと、そういう世代の人たちがウヨウヨと会場にいた(笑)。ふだん、もうプロレス会場から離れている懐かしい顔もチラホラ。「王道」という名称と元子さんの存在は、過去を呼び戻すパワーを持っているのだ。

 

 正直、曙がこのたび旗揚げした『王道』とはどのようなものなのか、会場に着いてからネットを検索して把握することに務めた。まあ、何ごとにも話題の中心をなす新日本関連の仕事に忙殺されていると、ほかの動きがわからなくなってしまうのだ。

 

 王道は、正式名称=株式会社王道。昨年1221日に設立され、代表取締役社長が曙太郎。所属選手は曙、太陽ケアの2名。事務所の所在地は東京渋谷区の馬場元子さんの自宅である。

 

 そういえば、元子さんから馬場さんの愛車であるキャデラックをプレゼントされたり、馬場さん愛用の高級大型ソファを贈ってもらったり、曙は元子さんにずいぶんと目をかけられている。馬場夫妻の愛するハワイ出身であり、2メートルを超える巨体で大型外国人選手を圧倒する曙の姿が、古き良きプロレスの時代、ジャイアント馬場時代のプロレスを彷彿させるからだろうか?

 

 また、元横綱(第64代)として国技の看板を張っていた過去を持ちながら、曙は常識人だし、驕ったところがない。つまり、至ってまともな性格の持ち主なのである。そういうところも元子さんは気に入ったのかもしれない。

 

 もうひとりのケアともハワイつながり。当然ながら、ケアも癖のない、好人物として知られている。

 

 つまり、これが現在の馬場ファミリーであり、ジャイアント馬場と馬場体制が掲げた『王道』を名乗ることを許された唯一無二の団体と定義することができるわけだ。

 

 もちろん、所属選手が2人ということなので、全6戦を組むにあたり、さまざまな団体の協力を仰いでいる。大日本プロレスの関本大介、岡林裕二、橋本大地、WRESTLE-1の浜亮太、芦野祥太郎、東京愚連隊のNOSAWA論外、MAZADA、ZERO1の田中将斗、実質フリ―の宮本和志、相島勇人、TARU、菅原拓也、土方隆司など。

 

 異色の参加メンバーは、ケンド―・カシンAと黒覆面AのはぐれIGF軍団と、メキシコAAAのルチャアンダーグラウンドの提供試合として来日したペンタゴンJrとフェニックスの2選手。

 

 実際のところ、団体カラーというか、整合性というか、そういったものは皆無だったが、得てして新団体のスタートというのはそういう感じ。かつての、パンクラスやZERO-ONE、ノアのような陣容をそろえた大規模で斬新な団体の旗揚げ戦ではないのだから、これも仕方のないところだろう。

 

 だけど、私個人としては、それなりに楽しめた。やはり、完成されている新日本の興行を中心に取材していることから、こういう統一性のない興行の1試合1試合が新鮮なのかもしれない。

 

 まず、はぐれIGF軍団の登場。当初、出場予定はカシン&将軍岡本だったのだが、岡本は熊本県阿蘇郡の出身で、今回の大地震で被災を受けた場所。急遽、岡本欠場のリリースがカシンからの報告ということで流されたが、このリリースの内容がじつにきちんとしていた。

 

 おそらく、王道サイドが作ったものではなく、カシン本人がリリース分を作成したものと思われる。カシンは、東日本大震災の被災者でもあるから、こういうときに彼本来の常識人としての部分が顕著に表れるのだ。

 

 代わって出場した……というか、途中で助っ人として入ってきたのが黒覆面Aだったが、中身はバレバレの鈴木秀樹。あっという間にNOSAWAをダブルアームスープレックスでフォールしてしまった。

 

 その前に、大仁田厚からの丁重な対戦要求書(直筆)持参で、白覆面がNOSAWAの援軍で登場してきたが、正体は保坂秀樹でバレバレ。というか、マスクを脱がされて保坂であることがばれた。

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