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  • 2016.02.11

GK金沢克彦コラム #86

GK金沢コラム連載第86回!! 「後藤の鈍感力」

大阪決戦直前! オカダvs後藤のIWGP戦をGKが解説!!

 会場人気No.1のカリスマ的存在であった中邑真輔の退団が、絶好調の新日本プロレスにどのような影響を及ぼすのか? それが、この2月シリーズにおける最大のテーマとなる。

 

 そこで、もっとも気になるのは観客動員。とくに、本日(11日)開催される大阪府立体育会館大会(エディオンアリーナ大阪)は注目。後楽園ホールがプロレスの聖地と呼ばれるのと同様に、新日本にとっての大阪府立は西の聖地。ここ2~3年の集客力は凄まじいばかりで、超満員、満員は当たり前となってきた。

 

 その勢いを駆って、昨年7月には21年ぶりに大阪城ホールへ進出。あの広い大阪城ホールを立見客が出るほどに埋めてみせた。今回の目玉カードは、IWGPヘビー級選手権(オカダ・カズチカvs後藤洋央紀)、NEVER無差別級選手権(柴田勝頼vs石井智宏)の二タイトルマッチと言っていい。

 

 どちらも“鉄板カード”である。いい試合、凄い試合など当然のことで、一線を超えるような激闘・死闘となることは間違いない。

 

 それでいながら、戦前から賛否両論を呼んでいるのが、メインのオカダvs後藤である。いま現在のファンの支持率からいくと、多くのファンがオカダvs内藤の実現に期待していたという。だから、次期IWGPベルト挑戦者決定戦の趣きが強かった1・4東京ドームでの後藤vs内藤戦で、内藤が敗れたとき唖然としたファンも多かったようだ。

 

 ただし、なぜこの一戦が次期挑戦者決定戦を感じさせたのかといえば、昨年の8・1『G1 CLIMAX25』大阪大会のBブロック公式戦で、IWGP王者・オカダvsインターコンチ王者・後藤の顔合わせが実現し、後藤が快勝しているから。

 

 過去、王者同士がシングル戦を行ないインターコンチ王者が勝利を収めたのは史上初の快挙となるのだ。

 

 それ以前に、後藤が中邑の挑発に乗せられるカタチでインターコンチに挑戦し、1発でベルト奪取に成功したのが昨年の5・3福岡国際センター大会。ひさしぶりにインターコンチのベルトを巻いた後藤は、「次の目標としてIWGPヘビーを狙いたい」とコメントを残した。

 

 このセリフが波紋を呼んだ。幾多の闘いによって、中邑が鮮やかな色に染め上げた白いベルト。それをダシにIWGPに挑戦したいとは、なにごとか? インターコンチはIWGPより下なのか? 統一戦をやるなら、最初からインターコンチなど創設する必要はなかったろう? そういう感じで、ファンは後藤発言に拒絶反応をを示した。

 

 後藤からすれば、素直な気持ちを口に出しただけなのだろう。レスラーになったときから、目標はIWGPヘビー級王者だった。その王者を破ったからには挑戦権はあるだろう。リスクとして自分のインターコンチも賭けて、統一戦でもいいのではないか?というわけだ。

 

 ただし、なにごとにも敏感な今のファンはそういう考えをよしとはしない。中邑が独自に価値観を高めてきた白いベルト。2014年の1・4東京ドームでは、ファン投票の結果によって、IWGPヘビー戦(オカダvs内藤)をセミに置き、堂々とインターコンチ戦(中邑vs棚橋)がメインを締めくくった。

 

 こういった実績、価値観を踏まえ、一斉にファンは、「いったい、チミはなにを言っているのかね!?」となるわけだ。まあ、たしかにその発言を放送席で聞いていた私も「アチャア―!!」とは思った。その一方で、後藤の天然ぶりに対して、本気でそう思っているならそれでもいいのかな?と弁護してやりたい気持ちも沸いてきた。

 

 つづいて、中邑のリターンマッチである7・5大阪城ホールは文句なく名勝負となった。真輔が例の忍者スタイルで入場してきた試合といえば、みんなピンとくるだろう。ただし、あれほど凄まじい試合だったのに、もしかしたらファンの記憶に焼き付いているのは、真輔の忍者姿だけなのかもしれない。同日の試合で印象に残っているのは、柴田勝頼vs桜庭和志戦とメインでオカダがベルトを奪回したIWGP選手権(オカダvsAJスタイルズ)だけなのかもしれない。

 

 その一方で、私がほとほと感心したのは、真輔の忍者コスチュームに対して、後藤はまったく着飾ることもなく普段のままで淡々と入場してきたこと。普通だったら、「入場の時点で持っていかれた」と悔しがってもおかしくはない。それなのに、後藤は至って自然体のままなのだ。

 

 ある種、この動じないところ、空気を読まない(読めない?)ところが後藤の魅力なのではないか? 少しばかりそう思い始めてきた。私同様に放送席の面々はみんな同じ感覚を抱いたようで、これを指して、後藤の“鈍感力”の凄さと称した。

 

 この空気を読めない(読まない?)後藤の鈍感力は今年に入っても健在で、さらに磨きがかかっていた。1・5後楽園ホールの8人タッグでオカダ組と対戦した後藤はバレッタから直接勝利を奪い取り、IWGP挑戦をアピール。

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