• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2016.01.14

GK金沢克彦コラム #82

GK金沢コラム連載第82回!! 「潮﨑豪の『ノアの力になりたい!』」

ノア闘い始めで見せた潮﨑の相変わらずの真っ直ぐさ

 今週はノアの闘い始めとなる1・9後楽園ホール大会のことを書いてみたい。

 

 その前に、新年早々、日本マット界を揺り動かした新日本プロレスの中邑真輔退団騒動に関して。現在、中邑は海外にいるとのことだが、12日、新日本プロレスがマスコミ各社へのリリース、さらに同様の文書をオフィシャル・ウェブサイトに掲載することで一応の決着がついた。

 

 その中身は、「1月31日をもって、中邑真輔選手との選手契約を解除、退団することが決定しました。(中略)どうか今後も、中邑真輔選手並びに新日本プロレスリングへの、変わらぬご声援の程をよろしくお願い致します」というもの。それに伴い、中邑が保持していたIWGPインターコンチネンタル王座は返上となる。中邑本人のコメントに関しては、1月25日に記者会見を行なう予定。

 

 また、中邑のラスト2戦として、1・29所沢大会のメインで中邑&オカダ&石井&外道vs棚橋&後藤&柴田&田口の8人タッグ戦が組まれ、壮行試合と銘打たれた1・30後楽園ホール大会のメインでは、中邑&オカダ&石井vs棚橋&後藤&柴田の6人タッグ戦が行なわれる。以上が、簡潔にまとめたもの。

 

 まさにパーフェクトな発表内容。ここに至るまで、いろいろな論議もあったのだろうが、これが大人の対応というものであり、社会の中での新日本プロレスという会社組織の健全さ、まっとうさをキチンと示したものである。これはもう全面的に支持したいし、退団する中邑とファンへの配慮も充分に行きとどいていると思う。

 正直に言うと、私はかなり心配していた。1・5後楽園ホールで、AJスタイルズがパートナーであるケニ―・オメガをはじめBULLET CLUBのメンバーから袋叩きに遭って、ユニットを追放されている。AJに関しても、新日本との契約更新はなく、WWE行きは確実と見られている。所属選手と外国人選手の違いこそあれ、こういう終わりかたは寂しい。この1年半、AJは棚橋、中邑、オカダと並ぶか、あるいはそれ以上に新日本マットを盛り上げてきた功労者といえるからだ。

 

 それがあるだけに、新日本には中邑の退団問題に関して下手を打ってほしくない、と強く願っていたのだ。本当に、そんな心配は杞憂に終わってよかった。

 

 ここでひとつ大切なこと。中邑の行く先は、おそらく……いや確実にWWEだろう。ただし、これは引き抜き云々という見方は当たっていない。WWEのスカウト(オファー)に対して、中邑が熟考の末、筋を通して渡米を決意したということだろう。そのモチベーションがお金ではないことも明白。35歳の中邑には家族がいる。育ち盛りのお子さんが3人もいる。家もある。その環境で、初めから成功が約束されているわけでない、WWEという世界一厳しい環境の中へ足を踏み入れようというのである。

 

 ふつう、こんなリスクを背負ってまで、日本で築き上げた地位を投げ打って渡米しようとは思わない。それでも、そちらを選択してしまうからこその中邑真輔だろう。

 

 お金、安定より、自身の夢とロマンと冒険を求めて。それが中邑真輔。同じ青山学院大学・体育会出身のOBとして誇らしい。壮行試合では、「天下に冠たる青山学院大学“カレッジソング”」を心の中で歌いながら応援したいと思っている。

 

 では、本題のノアへ。会場の後楽園ホールはいい感じで埋まっていたし、観客も沸いていた。昨年下半期を考えると、ファンのほうも元気を取り戻したようだ。なんせ、昨年下半期のノアの会場は、いわゆるお通夜の雰囲気。鈴木みのるをリーダーとした鈴木軍にベルトを独占され、リング上を蹂躙されて、もはや諦めムードも漂っていたのだ。

 

 最終的には、GHCヘビー、GHCジュニア、GHCジュニアタッグ王座を奪還。ノアファンにも再び火が点いた感がある。

 

 ここで、当日の注目はイレギュラーな男たち。昨年11月、全日本マットからノアに帰ってきた潮﨑豪と、同じく全日本からノアに復帰参戦する金丸義信。そして、昨年の1223大田区大会で丸藤正道を襲撃し、電撃的に鈴木軍入りした杉浦貴の存在である。

 

 セミに登場したのは、潮﨑&金丸のフリ―コンビ。金丸はこれがノア復帰第1戦となる。相手は鈴木軍のシェルトン・X・ベンジャミン&エル・デスぺラード。ここでおもしろい現象が見られた。潮崎には相変わらず、ブーイングと声援の両方が飛び交うのに対し、金丸は大きな拍手で迎え入れられたのだ。

 

 これがプロレスという独特なジャンル、ファン気質を象徴しているように思えた。ノアファンからの信頼を取り戻そうと、必死の闘いを見せている潮﨑。一方、飄々と戻ってきたように見えなくもないのに、大拍手で迎えられた金丸。ヘビーとジュニアの違いはあるし、もともとのポジションにも差がある。

>