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  • 2016.01.07

GK金沢克彦コラム #81

GK金沢コラム連載第81回!! 「中邑、AJ、アンダーソン、ギャローズのWWE入り報道」

5日に駆け巡った4選手のWWE入り報道を斬る!

 1・4東京ドーム大会を大盛況で終え、翌5日、新日本プロレスが後楽園ホール大会を開催中に、かなり刺激的なニュースが飛び込んできた。米国の複数のプロレス系メディアが、新日本プロレスを主戦場に活躍するAJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドク・ギャローズ、さらに中邑真輔の4選手がWWEと契約した、あるいは契約する、契約の交渉をしているという情報を流したのだ。

 

 これらの米国メディアは日本のプロレス媒体とは違って、かなり踏み込んだインサイド情報を掲載したり、流したりすることで知られている。言ってみれば、かつての『週刊ファイト』をさらにえげつなくした感じ。そのひとつである『レスリング・オブザーバー』は日本のマニア層から随分と支持を集めているが、私が『週刊ゴング』に在籍していた時代から、けっこうアンタッチャブルな存在と見られていた。

 ただし、驚くほど情報は早い。日本マットのインサイダー情報などに関して、私が知らない話などもいち早く掲載されていたりするから当時は驚かされたものだ。これは、米国通の日本のマスコミ関係者と常日ごろから情報交換しているからだと思われる。

 

 もちろん、その情報はドンピシャリで当たっていたこともあれば、ガセだったのかまったく日の目をみなかったこともある。

 

 周知のとおり、新日本プロレスは毎年1月中に選手の契約更改を行なう。無論、新日本の所属選手と外国人レスラーでは契約の形態は違っているのが当たり前。だから、誰もかれも一緒くたに括って考えることはできないだろう。

 

 ただ、アンダーソンは過去にWWEから声を掛けられたことを本人が告白しているし、ギャローズはWWE経験者である。それにBULLET CLUBの元リーダーであるプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラ―)はNXTの王者でエース的存在。新日本の選手たちと日本人、外国人を問わず交流がある。

 

 もうひとり、フロントにはこれも新日本のトップ外国人だったジャイアント・バーナードがいる。ほかにも、ウイリアム・リ―ガル、デ―ブ・フィンレ―、ディーン・マレンコ、ア―ン・アンダーソンと、周辺には新日本と関係の深い人物がうようよといる。だからこそ、昨年8月、NXT『テイクオーバー』(ニューヨーク州ブルックリン)に獣神サンダ―・ライガ―の一夜限りのスペシャル参戦も実現したのだ。

 

 いったい、この情報に信憑性はあるのかどうか? 残念ながら、私は締切り間近の『別冊ゴング』の原稿を書いていたため、後楽園ホールには行けなかった。だから、その模様は新日本オフィシャル・ウェブサイトで確認するしかない。そうすると、また目を疑うような事件が起こっていた。前日、超ハイクォリティーでプライムな激闘を展開し、試合後、グ―タッチを交わした中邑とAJがタッグで対戦。なんと、中邑が前日IWGPジュニア王座をKUSHIDAに奪われたケニ―・オメガの片翼の天使に沈んだ。

 

 これだけでもかなりの事件。ところが、その後、ケニ―はAJにも片翼の天使を見舞い、BULLET CLUBのメンバーが総出でAJをメッタ打ちにして追放宣言。まあ、メンバーからすれば、前日、中邑に負けたくせにグ―タッチを交わしたことが気に入らないということになるのだろう。そして、同時にケニ―はヘビー級への転向もぶち上げた。もともと、ケニ―の体格やパワーを考えたら、ジュニアの枠を超えていたのだから、これはこれで正解と言えるだろう。

 

 問題は、AJだ。こういうカタチでユニットから追われたなら、常識的に考えてAJの選択肢は2種類となる。ひとつは、ベビーフェイスに転身して新日本本隊に付くか、CHAOSに付く。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに関してはちょっとイメージが沸いてこない。

 

 もうひとつは、新日本マットを去るという選択。もし、そういうことになれば、新日本以上のプロモーションはWWEしかないのだ。なぜ、ベスト・イン・ザ・ワールドと呼ばれるAJがこれまでWWEと縁がなかったのか、そちらのほうが不思議なくらいなのである。

 

 言うまでもなく、どういう立ち位置にいようとも、AJスタイルズにはこれからも新日本マットに上がってほしい。私見でいくと、この1年半、新日本マットをリードしていた男はAJだと思う。AJがいたから、IWGP戦線はマンネリにならなかったし、数々のドリームカードが実現した。また、AJを体感することによって、新日本の選手は成長したし、さらにレベルが向上した。

 

 シングルでもタッグでも、首都圏でも地方マッチでも全力投球。このAJのプロレスへの向き合い方は新日本マットでも変わらなかったし、彼の真摯な姿勢はヒールという立ち位置ながら多くのファンに伝わったし、支持された。スタイル、タイプはまったく違うのだが、その姿勢はスタン・ハンセンに通じるものがあると思う。実際、棚橋弘至も中邑真輔も認める最高峰にいるプロレスラーである。

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