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  • 2015.12.10

GK金沢克彦コラム #77

GK金沢コラム連載第77回!! 「2015年東スポプロレス大賞を検証」

今年も『プロレス大賞』の季節がやって来た! 
GKが各賞をじっくり分析!!

 さ~て、御立会! ワタクシ金沢が独断で選定する第5回『ときめきプロレス大賞2015』に先だって(笑)、なんと今年で42回目を迎えるという歴史と伝統と権威を持つ、東京スポーツ新聞社制定『2015年度プロレス大賞』(以下、東スポ大賞)の受賞者が、8日に発表された。

 

 ドド~ン!! その結果は次のとおり。どうだろう? 7日に開催された選考会では、東スポの記者さん、カメラマンさんたちが10名、そのほかのスポーツ紙や専門誌や業界関連のマスコミの人たちが9名の計19名という微妙な数的バランスの選考委員会が結成されて、各賞を選出したのだ。

 

 まずは、ざっと受賞者リストを見てほしい。もちろん、私は選考の過程などまったく知らないのだが、8日発行の東スポに各賞のノミネート者や票数などが掲載されていたので、それをもとに私なりに感じたこと、思うところなどを書いてみたいと思う。

 

☆東京スポーツ新聞社制定 『2015年度プロレス大賞』受賞者一覧


▼最優秀選手賞(MVP)
オカダ・カズチカ(新日本プロレス)※2年ぶり3度目


▼年間最高試合賞(ベストバウト)
「天龍源一郎vsオカダ・カズチカ」(1115両国国技館)


▼最優秀タッグチーム賞
大仁田厚&長与千種(初)


▼殊勲賞
鈴木みのる(パンクラスMISSION)※初


▼敢闘賞
岡林裕二(大日本プロレス)※初


▼技能賞
本間朋晃(フリ―)※初


▼女子プロレス大賞
紫雷イオ(スターダム)※初


▼特別功労賞
天龍源一郎(天龍プロジェクト)※初


▼新人賞
該当者なし

 まず、いきなり上の賞から見ていくと、有料会員の人たちに申しわけないし、かと言って無料でのぞき見しに来てくれた人にも、この先を読みたいと思ってもらえるように若干のサービスが必要だろう。先週の福岡出張のコラムのように、肝心のオカダ・カズチカの話にはまったく触れずに、やれベッドが3個もある部屋に泊まっただの、やれ永田裕志、Hカメラマンと絶品のもつ鍋を6人前平らげただの、酔っ払って寝てしまったらソファの上だっただの……あんな旅日記では無料で読んでくれた人まで途中リタイアしてしまいかねないだろう。

 

 その一方で、「金沢さんの原稿はプロレスと関係ない話がイチバンおもしろい!」と言ってくれる人もときどきいる。これって、誉められているのか、舐められているのか微妙な感じ(笑)。でも、おもしろくないより、おもしろいと言ってもらえるほうがいいに決まっているのだ。

 

 本題に入ろう。最初に、殊勲、敢闘、技能の三賞であるが、まったく文句なし。この選定でもいいし、殊勲賞=岡林、敢闘賞=本間、技能賞=鈴木でもいいと思う。ただし、岡林の技能賞、鈴木の敢闘賞だけはちょっと無理がある。

 

 特別功労賞=天龍も文句なし。特別“大”功労賞にしてもいいぐらいである。新人賞は該当なしだが、野村直矢(全日本プロレス)、芦野祥太郎(W-1)、樋口和貞(DDT)、橋本千紘(センダイガールズ)の4選手がノミネートされている。私は断然、小松洋平(新日本)だと思っていたのだが、この11月でキャリア3年を超えてしまったから新人賞の資格外となってしまったようだ。

 

 先にノミネートされた4選手の試合は見たことがある。みんな将来性を感じるけれど、まだ受賞は早いなあとも思う。ここでも同意。

 

 あ、なんだか東スポ大賞選考委員会の一員のようになってきた。これはマズイなあ。では、ここでハッキリとダメ出しをしてしまおう。女子プロ大賞=紫雷イオである。べつに、イオが悪いわけでない。イオは素晴らしいレスラーだし、まだ25歳だから向こう5年間は女子プロ界をトップでリードする存在、いや逸材、いやいや逸女である。現在、女子プロ界では里村明衣子が“ひとり横綱”を張っているものの、1223スターダム後楽園ホール大会のワ―ルド・オブ・スターダム選手権(里村vsイオ)で、王者・里村に内容の伴った勝利を収め至宝を奪還すれば、イオは大関から新横綱に昇進すると言ってもいいだろう。

 

 ただし、今年の大賞はなしだろう。イオが大賞を取っているとすれば昨年だ。昨年のイオはワールド・オブ・スターダム王座V10に成功し、しかも10回目の防衛戦で里村の挑戦を退けて防衛に成功しているのだ。

 

 それにも関わらず、昨年、女子プロ大賞がなぜか該当なしとされたものだから、そのシワ寄せでおかしな事態となった。今年のイオは一歩引いたようなカタチでトップ戦線には出てこなかった。むしろ、ベストタッグチーム賞にノミネートされたように、進境著しい岩谷麻優とのサンダ―ロックでの活躍が光っていた。

 

 その代わり、トップ戦線に躍り出たのが宝城カイリ。世Ⅳ虎のベルト返上→引退によって開催されたワールド王座決定トーナメントでは決勝でイオを破り初戴冠。ベルトは里村に奪われたものの、今年、里村とのシングルマッチでの戦績は1敗2引き分け。あの怖い里村相手に向かっていく姿は、「もしかしたら?」と「いつかは!」を感じさせてくれた。

 

 安定感でも、攻め受けの上手さでもイオが上なことは明白。それでも、今年は気持ちで前へ前へと出た宝城がノミネートされて当然だし、私見でいくと大賞争いはその里村と宝城の一騎打ちが相応しかったと思う。

 

 いずれにしろ、私の結論は断トツで里村となる。横綱相撲で宝城からスターダムの至宝を奪い、スターダムvs仙女の全面対抗戦に渇を入れ、対抗戦に相応しい空気を作り上げた。1112仙女の後楽園ホール大会での対抗戦前には、里村の提案によりなんと仙女とスターダム主力選手たちによる合同合宿が行なわれている。

 

 合同合宿で仲よく練習していたわけではない。同じリング、同じ体育館で練習をともにすることにより、相手を知り、よけいに負けじ魂を呼び覚まそうと画策しての合宿。結果は大成功で、互いの闘争心はマックスとなり、1112対抗戦(6対6勝ち抜き戦)は大成功を収めている。

 

 こういったメンタルな部分も含めての闘いの精神、仙女だけではなくスターダムの若い選手も底上げしてやろうという心意気。このあたりが里村の経験値の違いであり、女子プロ界全体を見据えた器の大きさなのだ。

 

 もうひとつ、里村はかなりとんでもない新人3選手を育てデビューさせている。デビューから1年、念願のヒールになってまだ2カ月のカサンドラ宮城。1112勝ち抜き戦では仙女の大将として登場。敗れはしたものの、岩谷を相手に堂々と闘った。とてもキャリア1年、ヒール歴1カ月とは思えない貫録さえ感じさせた。橋本はキャリア1カ月で先鋒に抜擢され、3人抜きをやってのけている。まだまだベースであるレスリングに頼っているが、強いことは間違いない。その地力を感じたからこそ、4人目で対戦したイオも思いきりぶちのめしにいったのだろう。ルックス抜群の岩田美香もキャリア5カ月ほど。顔に似合わず、闘志むき出しで躍動する。1115スターダム後楽園ホールでは、宝城のバックハンドブローに鼻骨を折られ大流血しながらも、最後まで怯むことなく攻めの姿勢を貫いた。岩田もこのまま伸びていけば、スター候補生。

 

 仙女の社長業、トップとしてのコンディション作り、若手の育成と、ひとりで何役もこなしながら、リング上で王者、横綱に相応しい闘いを見せつける里村。しかも、里村は天龍の引退ツアーで二度、天龍と対峙して天龍にも真っ向勝負を挑んでいる。

 

 どう考えても、今年の女子プロ大賞へのノミネートは宝城と里村の2人で、圧倒的多数票を集めて里村が大賞に選出されていなければ、納得がいかない。

 

 いやあ、それにしても、女子プロ関連になると、なぜか熱くなってしまうなあ(笑)。小松記者、ここまで無料で掲載してね。

 

 ベストタッグチーム賞=大仁田厚&長与千種。これはよくわからない選考なのでパス。

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