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  • 2015.11.30

変態座談会 #30

男・玉袋も号泣! 天龍源一郎引退変態座談会【前編】

浅草キッドの玉袋筋太郎、構成作家・椎名基樹、プロレス&格闘技ライター・堀江ガンツの変態”3人が、酒を飲みながら居酒屋で好き勝手に語りまくる変態座談会。今回は、1115日に両国国技館で行なわれた“俺たちの天龍源一郎”引退興行を語りまくります!(構成:堀江ガンツ)
「最後の最後に、またシビれさせてもらったよ」(玉袋)

ガンツ 玉さん、今日は天龍さんの引退興行について語りたいと思います!


玉袋 いや、いろいろ語りてえことはあるんだけどよ、まずは天龍さんに一言伝えたい。長い現役生活、本当にお疲れ様でした! そして、ありがとうございました!


椎名 いや~、本当に引退しちゃいましたね。


玉袋 引退しちゃったよ~! そして最後の最後に、またシビれさせてもらったよ。


ガンツ 玉さんは、会場には行けなかったんですよね?


玉袋 行けなかったんだよ~! 絶対に行こうと思ってたのによ、NHKの収録が7時まで入ってて、どうしても行けなくてね。杉作J太郎も春日太一も、俺と同じ思いをしてたみてえだけどな。


椎名 俺が行かずに誰が行くと(笑)。

玉袋 なんで、この日に仕事しないといけねえんだってな。でも、ずっと頭の中に「サンダーストーム」流しながら収録に臨んで。情報も遮断して、家に帰ってからすぐ録画したのを観たらよ、最初に高中正義が出たところでもうテンション上がったよ!


椎名 あれ、良かったですよね!


玉袋 おう! 生サンダーストームだもんな!


ガンツ 椎名さんもテレビ観戦ですか?


椎名 うん。BSスカパー!でね。あれ凄いよね。スカパー!に入ってれば、誰でも無料で観られるんだもん。できるだけ多くの人に天龍の引退試合を観てほしいっていうのが伝わってきて、素晴らしいと思った。

ガンツ 両国のチケットは早々と完売でしたからね。それでBSスカパー!以外にも、『新日本プロレスワールド』のネット配信、各地でクローズドサーキットもあって、ありとあらゆる方法で観られるようになってたんですよね。


椎名 そうらしいね。


玉袋 だからよ、天龍さんはいちいちカッコいいんだよ。最後にこういう、プロレス界全体が盛り上がるビッグイベントにしてさ。試合だって、入場シーンから良かったぜ。


椎名 ノボリがズラッとあがってね。


玉袋 あのノボリがいいんだよな~! そこをショートタイツで出てきてさー。あれにはグッときたよ!


ガンツ また、デビュー戦のガウンで入場というのがいいですよね。


玉袋 たまんねえよ!


椎名 まだ、目つきが悪い頃に着てたやつだよね(笑)。


ガンツ 当日、両国のロビーに歴代のガウンが飾られてたんですよ。全日代表として、新日本の(90年)2・10ドームに出たときの黄色いガウンから、猪木戦のガウン、髙田戦のガウンとか、大一番のガウンがズラッと並んでて。「じゃあ、どんなガウンで入場してくるのかな?」と思ってたら、まさかのデビュー戦のガウンだという。


玉袋 ガウンって大事だなー! やっぱガウンだよ!


椎名 ガウン、カッコいいですよね!


玉袋 要するによ、もうガウンが似合う男っていうのがいなくなったんだろうな。


ガンツ そうなんですよね! 昔は日本人のメインイベンターといえば、和風のロングガウンだったのが。


椎名 いまのプロレス界にはガウンが足りないのかもしれないね。


玉袋 もうさ、俺たちもガウン着たほうがいいんじゃねえか?


椎名 風呂上がりとかに(笑)。


ガンツ ヒクソンが髙田戦の入場で着てた、バスローブ風ガウンのように(笑)。


玉袋 ガウン文化復興のために、そのへんから始めたほうがいいよ。


ガンツ また、あのガウンだから、ノボリが似合うんですよね。


玉袋 そうなんだよな~。ホント、入場からいい感じだったよ。


「天龍さんも最後にオカダと昭和のプロレスファンを結びつけるためにやった試合みたいな感じはしましたよね」(ガンツ)


ガンツ 観客もみんな、「天龍の最後を盛り上げよう」って、ひとつになった感じで。


玉袋 あれはなんか昭和感があったよな。そして、そこに出てくるオカダっていうのも大したもんだと思ったよ!


ガンツ そうですよね。あの空間に乗り込んでいかなきゃいけないわけですからね。


椎名 よくやったよね。


玉袋 俺もよぅ、あれを見たら……もの凄いファンになっちゃったよ! オカダ・カズチカの!


椎名 おー!


ガンツ 玉袋筋太郎が、ついにオカダ・カズチカのファンになった!(笑)。


玉袋 いまのファンにさんざん「玉袋はわかってねえ」とか言われた俺がだよ?(笑)。でも、やっぱり天龍さんの最後の相手は、オカダじゃないとダメだって思ったもんな!


ガンツ そうですね。


玉袋 素晴らしかったと思うよ、俺は。


ガンツ 戦前には、お互いいろいろ言い合って、相容れない感じでしたけど。天龍さんも最後にオカダと昭和のプロレスファンを結びつけるというか、時代を結びつけるためにやった試合みたいな感じはしましたよね。


玉袋 それって、でっかい仕事だよ! 誰でもなかなかできることじゃねえもん。それを引退試合に持ってきて結んだっていうさー。これも、“たまむすび”だよ。


ガンツ 引退前にTBSラジオ『たまむすび』にも出てたし(笑)。


玉袋 ゲストに来てもらったよ。また来てほしい!


椎名 でも、会場で泣いてる人が多くて驚いた。


ガンツ ああ、BSスカパー!では、そういう観客の映像も流れたんですね。


玉袋 でも、あれは会場で観てたら泣くんじゃねーか? じつは俺も深夜に家族が寝静まった中、録画したのを観てたんだけど、ひとりテレビの前で思いっきり泣いたね!


ガンツ 酒も入ってるし(笑)。


玉袋 そう。酒も入っちゃってるし、周りは誰もいねえからさ、おいおい泣いたよ!


椎名 でも、ホントにグッと来ましたよね。


「どんなに身体が動かなくても、絶対に観客を満足させるっていう心意気が伝わってきましたよ」(椎名)


ガンツ また、試合内容も記憶に訴えかけるような試合でしたしね。


玉袋 あのパワーボムに、あの延髄斬り! もう泣いたよ! あの延髄斬りは! 素晴らしい延髄斬りだったよ!


ガンツ あれこそが渾身の延髄蹴りですよね!


玉袋 そうだよなー! いいよなー!


椎名 変態座談会に来てもらったときも、足腰凄く辛そうだったもんね。


玉袋 そう。俺たち、リング外の天龍さんの姿見ちゃってるからさ。また変態座談会の店がエレベーターがねえ店でよ、そこを腰が悪いのに階段で上がってきてもらってね。あれは申し訳なかったけど、リングに上がるだけでも大変だったと思うんだよ。


椎名 そうですよね。


ガンツ 腰の大きな手術をしたあとは、ずっとあんな感じでしたもんね。


玉袋 それでも、あの打点でも延髄斬りを出すっていうね! あの心意気! そして、ちゃんと受け切ったオカダも素晴らしかったよ。


ガンツ コーナーを背にしながらのパワーボムもしびれましたよね。


玉袋 いやー、カッコよかったよ!


椎名 天龍がどれだけ腰が悪いか、観客に伝わったし。だからこそ、渾身の一撃だっていうのもわかったしね。


玉袋 でさ、もううまく後ろ受け身も取れなくなってたじゃない? だからドロップキックをやられたときも、まともに倒れてるんだよな。レスラーだったら絶対に衝撃を吸収するさ倒れ方するけど、天龍さんはまともに食らい続けたんだから。あれもすげえよ!


椎名 しかも何発も食らってましたもんね。


玉袋 あんなにキツい、あんなに痛みが伝わるドロップキックを観たの初めてかもしれねーよ! あれは天龍さんも効いたんじゃねえかな~。


ガンツ だから、よく「足腰が立たなくなるまで闘う」とか言いますけど、オカダ戦の天龍さんこそ、まさにそれですもんね。


玉袋 見せてくれたよ、生き様をよ。


椎名 どんなに身体が動かなくても、絶対に観客を満足させるっていう心意気が伝わってきましたよね。


玉袋 でよ、天龍さんも凄いんだけど、前座ではそれより歳上のグレート小鹿さんとカブキさんがやってるんだからな(笑)。


ガンツ あれも凄いですよね。50年来の因縁という(笑)。


玉袋 どんだけ因縁が続いてるんだよ!(笑)。


椎名 だから天龍引退興行は、アンダーカードのバラエティの富み方も凄かったよね!


玉袋 凄かったよ!


椎名 お祭りだったよね!


玉袋 祭り祭り! 祭囃子が心地よかったよ。「パワーあるじゃねーか、プロレス!」って思ってさ! こんだけの祭りを作り上げたのはすげえなって思ったよ。


椎名 いきなりリッキー・フジとか出てくるからさ、びっくりした(笑)。


玉袋 あれこそオールスター戦だよ!


椎名 藤田和之まで、場違いな感じで出てきちゃってさ。どういうことだ⁉︎ って感じで(笑)。


ガンツ あの温かい空気の中、ひとり大ブーイングと帰れコールをくらってる藤田という(笑)。


玉袋 大日本コールで追い出されてたもんな(笑)。


椎名 あのへんの客のセンスもよかったよね。察してたよね! MMAの方向にはいかせねーぞ! って感じで(笑)。


玉袋 そのあと諏訪魔はまぁ、正論言ったよ。


ガンツ 諏訪魔も「この空気はヤバい」って感じで、「俺は天龍さんみたいな、熱い試合がしたいんだよ!」って、観客に俺はこっち側だよってアピールして(笑)。


玉袋 ああいうズンドコも含めて、あの日は久しぶりにプロレスを堪能したね!


ガンツ 会場全体が、みんな「プロレスおもしれー!」っていう空気になってましたよね。


玉袋 あの日は、プロレスからしばらく離れてて、天龍さんの引退だからって来た客もみんな満足したんじゃねえか? 酒が進む興行だったよ。


ガンツ いい酒飲めたでしょうね。あれ、玉さん会場で最初から観てたら、メインイベントの頃にはもうベロベロだったんじゃないですか?(笑)。 


玉袋 ベロンベロンだよ、ベロンベロン! ヤバかったよ!


ガンツ 当初は我々3人でマス席買って観ようと思ってましたけど、そうじゃなくてよかったですかね(笑)。


玉袋 ダメダメダメ! あんなの会場で最初から観てたら、酔っ払っちゃって大変だよ! だからよ、会場で観たかったけど、実際に会場に行ってたら取り乱してたと思う、俺。


ガンツ ダハハハハ! 何をしていたかわからない(笑)。


玉袋 昭和の地方会場にいた酔っ払いのオヤジみてえに、リングに上がろうとしてたかもしれねえよ!


椎名 オカダ・カズチカに襲いかかろうとしたり(笑)。


玉袋 まあだから、家でひとりで観られてよかったってことだな!

(後編へ続く)

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