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  • 2015.11.27

GK金沢克彦コラム #75

GK金沢コラム連載第75回!! 「2015年GK的MVP」

 もう、あっという間に師走がそこまで来てしまった。早すぎる、1年の終わりがあまりに早すぎる。昨年、2014年の年越しと同時に出かける準備をはじめ、電車を乗り継いで自由が丘へ。寒風の中なんと40分もタクシー待ちをして『年越し中西ランド』の現場へようやく到着。中西学、永田裕志、KUSHIDAらとさんざん食って飲んでしゃべりまくり、生放送で放送禁止用語を連発しスタッフを大慌てさせていたのが、まるでつい先だってのことのように感じられる。

 

 それに、ここ数年、私は手帳というものをまったく使いこなしていない。仕事の予定からプライベートに至るまで、仕事用デスクの上にポンと置かれた卓上カレンダーに、すべての予定が記入されている。だから、手帳をつねに持ち歩いていながら、それを見ても自分の予定がさっぱり分からない。

 

「今年こそは!」の意気込みで年頭の1月だけは手帳に予定を書いていた。ところが、2月頃からまた手帳は真っ白状態で、卓上カレンダーだけが文字で埋まっていく。だから、9~10月にかけて歯科医院に通って歯を2本治療していたのだが、このときじつに困った。その行き着けの歯科は院長の腕がいいので大変に繁盛している。だから、1回治療すると次の予約は1週間先とか10日先とか混雑しているときは2週間先になり、歯科医院側とこちらの予定を日にち、時間帯と細かく擦り合わせなくてはならないのだ。

 

 本来、ここで手帳があれば万事解決なのに、もう2月から手帳は真っ白。また、歯科に行く前にわざわざ手帳に2週間分の予定を書きうつしていくのも面倒くさい。そこで私は卓上カレンダーを持参して歯科医に行くようになった。これがウケた。ウケてもしょうがないのだけれど、受付のお姉さんやら院長にも大ウケした。

 

「えーと、来週の金曜か土曜はですねえ……」と、おもむろに卓上カレンダーをバッグから取り出して確認するのだから、みんな呆気にとられる。こっちはウケようと思っているわけではないけれど、みんな噴き出すのだ。

 

 つまり、その歯科医院での卓上カレンダー騒動(?)があって以来、やっぱり手帳を使わないといけないなあ、と思いはじめたらもう11月になっていたということ。

 

 来年は手帳を使いこなす! 私の数年来の目標はいま確固たるものとして、自分のなかに揺るぎなくそびえ立っているのだ(笑)。

 

 さて、仕事の話をしよう。師走のプロレス界とくれば、そろそろプロレス大賞のことが気になりはじめる。東京スポーツ制定のプロレス大賞もそうだけれど、自分のなかでのプロレス大賞もそろそろ定まってくる時期。先だって出演させてもらった大阪のプロレスリングBAR『カウント2.99』での5時間トークイベントのなかでも、私個人が選定する2015年度各賞を発表させてもらった。ここでもっとも大切な賞であり、2015年度の“プロレス界の顔”となる最優秀選手賞=MVPについて、今週は私の見解を述べてみたい。

 

 今年も、候補は新日本プロレスからの選出となる。これはもう揺るぎない。だれが見ても、贔屓目ぬきに今年も新日本は突っ走った。1・4東京ドーム大会からはじまり、21年ぶり開催の7・5大阪城ホール大会を掛け値なしの超満員札止め(1万1400人)で埋め尽くし、『G1 CLIMAX』ではこれまた11年ぶりとなる両国国技館3連戦を見事に大盛況へと導いている。

 

 プロ野球におきかえるなら、パ・リーグの福岡ソフトバンク・ホークスのようなもの。ペナントレースで史上最速優勝を決め、クライマックスシリーズ(対ロッテ)を3連勝で突破し、日本シリーズでも圧倒的な強さ(4勝1敗)でヤクルト・スワローズをねじ伏せた。そして、MVPにはこれまた当然のようにホークスの柳田悠岐外野手が選出された。打撃7部門でトップに立ち、トリプル3(打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30個以上)という最強打者としてお手本となる数字、つまりメジャーリーガーとしても通用するであろう指針となる数字を見事にクリアした男。これも文句なしだろう。

 

 そういうわけで、なにがどう転んでもやはりMVPは新日本から選出されるべきなのである。そういえば、昨年の東スポ大賞のMVPは棚橋弘至。私が自信と確信を持って選出したAJスタイルズをだれもどこの媒体も選ばなかった。外国人選手に資格はないのだろうか? いやいや、過去にボブ・サップが東スポ大賞を受賞しているのだから、そんなことはないだろう。だけど、あのとき選考委員だった私は、徹底的に反論して高山善廣を推しつづけたのだが、多勢に無勢で敗れ去った苦い思い出がある。

 

 ただ、いま思えばサップとAJではプロレスラーとしての器量、技量が違いすぎてお話にならないと思うのだけれど、当時はやっぱり格闘技ブームにプロレスが押されていた象徴がサップの受賞でもあるのかなあ、と懐かしく思う。

 

 さて、今年のMVP戦線であり、MVP候補である。まずはざっと鈴木みのる、棚橋弘至、オカダ・カズチカ、中邑真輔、AJスタイルズの5名が挙がる。いきなり、主戦場が新日本ではなくノアであった鈴木の名前が入っているが、新日本の1・4ドームを経て、いきなりノアに鈴木軍フルメンバーを率いて殴り込み。ベルト総取りから、丸藤を完全フォールの2連破までは鈴木が独走状態だったように思う。ただし、いかんせん団体の勢いと地力の差が徐々に出始め、両国規模の新日本、後楽園ホール規模のノアという尺度により注目度が落ちてきた。試合内容では負けていなくても、インパクトは器に比例してしまうのだ。

 

 同様に、上半期のAJも勢いがあった。棚橋からベルトを奪回し、4月、両国大会の飯伏幸太戦のインパクトは今年随一といっていい。飯伏のフェニックス・スプラッシュを空中でキャッチしてのスタイルズクラッシュ。ファン、関係者ばかりか同業者のレスラーまで呆気にとられたフィニィシュシーン。また、敗れはしたものの7・5大阪城のオカダ戦は今年のベストバウト候補にあがるし、G1準決勝となった両国の棚橋戦も最高品質の闘いだった。ただ、その後の試合と結果はイマイチ停滞の感もある。

 

 中邑は米国遠征での超絶人気ぶりが彼のステイタスをまた無言のうちに上昇させた。G1では深手を負いながらもファイナル進出。準決勝のオカダ戦、優勝戦の棚橋戦とこちらも濃かった。ところが、いま振り返ってみたときに中邑の場合、1・4ドームのインパクトがあまりに強すぎる。つまり、中邑真輔vs飯伏幸太のインターコンチネンタル選手権のインパクトを超える試合は、これだけ名勝負が生まれた新日本マットにあっても他に挙げることができない。ベストバウトは中邑vs飯伏。この強烈すぎるインパクト。

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