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  • 2015.11.12

GK金沢克彦コラム #73

GK金沢コラム連載第73回!! 「究極のドリームカード! 中邑vsAJ」

新日本プロレスが温存してきた黄金カードが
1・4東京ドーム大会でついに実現!

(本文)

 新日本プロレスで仰天カード、純粋に夢のカードといえる一戦が実現することになった。毎年、1・4東京ドームに直結してくる大会なる年末の大阪大会(11・7大阪府立体育会館)で、IWGPヘビー級選手権(オカダ・カズチカvs棚橋弘至)とならぶ注目カードであるIWGPインターコンチネンタル選手権のカードが決定をみた。カール・アンダーソンを下して王座防衛に成功した中邑真輔の前に現れた男は、AJスタイルズ。

 

 ついに、禁断の対決、ここまで温存されてきた中邑vsAJの黄金カードが東京ドームという年間最大の舞台で実現の運びとなる

 

 TNAを電撃離脱したAJが、次なる闘いの主戦場に新日本マットを選んで初登場を果たしたのは、昨年の4・6両国国技館大会。乱入、BULLET CLUB入り、王者・オカダへの挑戦表明という登場の仕方であったが、初参戦となった5・3福岡大会において、1発でオカダからIWGPヘビー級王座を奪取。それ以降、棚橋弘至、中邑、オカダと並ぶ現・新日本マット四天王としてつねにトップ戦線で闘い続けてきた。

 

 そのなかでAJがつねに絡んでいたのは、IWGPヘビー級戦線。必然的に、インターコンチネタル王座を中心に真輔カラ―でリングを染めることを生業としてきた中邑とAJに接点は生まれなかった。否応なしに、リングで交わる舞台は『G1 CLIMAX』となるのだが、昨年、今年と両者は別ブロックにエントリー。唯一、優勝決定戦で初対決という劇的シチュエーションに期待する声も多かったわけだが、まさに既(すんで)のところですれ違い。

 

 もしかしたら永遠にすれ違いのまま、ある日突然にAJが新日本を離れてしまうのではないか? あるいは、これだけ期待されていて組まれないのだから、そろそろカビが生えてきてしまうのではないか? そんなことを周囲が思いはじめた矢先に、日の目を見ることになった。

 

 これぞ、絶妙のタイミングというやつではないのか? 同時に、メインのIWGPヘビー級選手権はまた今年もハードルを上げられてしまった。昨年と同一カードとなるオカダvs棚橋戦。昨年のメインでは試合後、敗れて引き揚げるオカダが端正な顔を歪ませて号泣した。試合内容もよかったし、オカダの涙にもインパクトはあったし、それに非情なる棚橋のマイクアピール、「オカダ、IWGPは遠いぞ!」が被さって見事なコントラストを描く作品となった。試合内容も含めて素晴らしいメインだったと思う。

 

 ところが、翌5日の後楽園ホールで棚橋が私に向かって呟いた「昨日はセミに食われましたね」という言葉もまた印象的だ。セミファイナルは中邑vs飯伏幸太のインターコンチネンタル選手権。いやはや凄まじかった。限界を超えようとしていたし、一線を超えようとしていた。辛うじて、プロレスの範疇に止まったものの、これ以上を望むのは酷といっていいほどの死闘となった。中邑も飯伏もしばらく1・4ロスに陥るほどの闘いが繰り広げられた。

 

 飯伏が「もう中邑さんとは2年に1回でいいです」と言えば、中邑は「俺は3年に1回で充分ですよ」と苦笑いする。まあ、いまのうちから言ってしまうと、私のなかでは2015年度のベストバウト。あれ以降、どんな好勝負を見ても、名勝負を見ても、あの中邑vs飯伏戦と比較してしまうと、アレには及ばないのだ。私からすれば、1・4ロスどころか、1・4インポテンツに陥ってしまった感がある(笑)。

 

 そして、今年は中邑vsAJがラインナップされた。おそらく棚橋にしてみれば、「また、こういうのが来たわけかい?」と気が重いというより、「この試合、ちゃんと観たいなあ」といまは単純にそう思っているのではないか? つまり勝負を実感する以前の話として、棚橋のプロレスファン意識のほうがいまは上まわっているのではないかと思う。

 

 自分自身がプロレスラーであり、新日本の絶対エースであることを忘れたとき、棚橋ほどのプロレスファンはなかなかいない。無論、真輔ファンでもあって、AJファンでもあって、新日本ファンでもあるからだ。

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