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  • 2015.11.06

GK金沢克彦コラム #72

GK金沢コラム連載第72回!! 「激する藤田和之」

11・1全日本弘前大会での諏訪魔に対する
藤田発言の真意をGKが探る!!

 天龍源一郎引退興行(1115両国国技館)まで、あと10日余。ここにきて、風雲急を告げてきたカードがある。メインの大一番である天龍vsオカダ・カズチカに関しては静かにそのときを待っている感もあるが、全11戦のなかでメインに次ぐ好カードと言われる藤田和之vs諏訪魔の因縁タッグ対決が俄然動き始めた。

 

 昨日(5日)のこと。藤田に連絡を入れてみたところ、諏訪魔の話題になると口調がガラリと変わった。明らかに激しているのだ。

 

「あいつは暴走専務だっけ!? 暴走以前に行動さえも起こさないのか? もうジャイアント馬場の王道はないんだよ。馬場さんはいないんだ。自分の肩で全日本を背負ってみろよ」

 

 なぜ藤田の口から、馬場さん、王道という聞き慣れない言葉が飛び出してきたのか? 順を追って話を展開してみたい。

 まず、ここにきて両者のパートナーが変更された。K-DOJOの火野裕士の突然の退団発表により、K-DOJOの2枚看板である火野と真霜拳號が大会への出場を辞退。それに伴い、すぐさま大日本プロレスの2枚看板がパートナーに決定した。新しいカードは、藤田&関本大介vs諏訪魔&岡林裕二である。

 凄まじいカードが出来上がってしまった。火野と真霜も惜しい。惜しいけれど、それを補って余りあるのが関本と岡林の存在。こうやって、すぐさまカード変更を発表する(※同時にチケットの払い戻しについても付随発表する)天龍プロジェクトも素晴らしいが、すぐさま団体の2枚看板をそこへ送り込んでしまう大日本の姿勢も素晴らしい。

 

 率直なところ、払い戻しどころか従来のチケット料金にプラス1,000円を付け加えてもいいのではないか!? そう思えるほどのドリームカードが誕生したわけである。

 

 ここは、話が少し込み合ってくるのだが、周知のとおり、全日本プロレスの11・1弘前大会(青森武道館)で、船木誠勝&ケンド―・カシンvs諏訪魔&佐藤光留という超異色カードが実現し、事前にカシンは「藤田を連れていく」と藤田のセコンド登場を示唆して諏訪魔に揺さぶりをかけていた。そして、実際に試合後、姿を見せた藤田はタイツとリングシューズを持参してエプロンサイドへ。諏訪魔と大乱闘、大舌戦を展開した。

 

 話はその前日の朝方に遡る。珍しく早起きした私は、いつも早起きで庭の草刈りに余念がない藤田にカード変更などに関して、メールを送ってみた。藤田によれば、関本、岡林がいい選手だとは聞いているが、試合はまったく見たことがないという。

 

 そりぁあ、甘い! というわけで、大日本の20周年興行である7・20両国大会のメインカード(関本vs岡林)を動画で探して見てみたらいい、という内容のメールを送っておいた。

 

 その日の夜、藤田からメールの返信が来た。なんとか探して、目的の試合を最初から最後まで観戦したという。

 

「素晴らしいです。まったく退屈することもなくて、最初から最後まで食い入るように観てしまいましたね。あれこそ長州さんの大好きなプロレス。俺らが若手で指導を受けているころ、長州さんが俺らにやらせたかったプロレスがまさにああいう試合ですよ。俺は関本選手と岡林選手の試合を観て改めて感じたことがあるんです。この狭い日本で、いまのプロレス界でメジャーとかインディーとかの区別はもうないんだなってことです。両国の相手はあくまで諏訪魔だけど、彼らの試合を観たら、俺なんかも足掬われるかもしれない、そういう脅威も感じましたね。金沢さん、教えてくれてありがとうございました!」

 

 こちらの想像以上に、藤田の心に関本vs岡林の激闘は響いてきたようだ。じつは、もう1試合、私は藤田にある試合を観戦してみたらどうか、と推薦しておいた。2010年の1024横浜文化体育館で実現した諏訪魔vs船木の三冠ヘビー級選手権である。これは私の観てきた諏訪魔の試合のなかでもベストバウト。さらに言うなら、船木にとっても彼がプロレス界にカムバックしてきて以来のベストバウト。つまり、両者ベストバウトといっていい凄まじい死闘だった。船木の蹴りが諏訪魔の記憶を刈り取ってしまう。それでもフラつく足取りで諏訪魔は身体ごと船木にラリアットをぶち込んでいった。

 

 たまたま私は、テレビ神奈川の放送席で解説しながら観戦していたが、途中何度も声を失った。まるで異種格闘技戦か、果たし合いのような闘いだったのだ。藤田はこちらの試合も観戦したようだった。だけど、これから鉾を交える諏訪魔のことだけに多くを語らなかった。

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