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  • 2015.07.10

GK金沢克彦コラム #55

GK金沢コラム連載第55回!! 「WWE LIVE」

「これは、ただのハウスショ―じゃない」

 ヨイショでもなんでもなく、今年度、いやこの2010年代最高の興行と正直に思った7・5大阪城ホールの大一番が終わった。ただし、こちらの総括は『ゴング』第6号までとっておきたいと思う。そこで、大阪城とは無関係と思われつつ、じつは比較論という意味でも「取材してよかった」としみじみ感じたWWEの日本公演2日目(WWE LIVE=BEAST IN THE EAST)について触れてみたい。WWEと新日本プロレス。企業として規模ではまだ勝負にならない。ただし、世界のプロレス団体(組織)としては、いまや2大ブランドと称される価値観を持っているからだ。

 

 べつに、WWE日本公演(両国国技館2連戦)の初日を意識したわけではないだろうが、同日同時刻に開催された新日本の後楽園ホール大会は例によって超満員の観客で埋まった。

 

 しかも、メインの10人タッグ(CHAOSvsBULLET CLUB)に出場したメンバーは、オカダ・カズチカ以外はすべて外国人選手だった。なんとなくWWEを意識してみるとよけいにおもしろい。ドク・ギャローズ、マリア・ケネリス(マネージャー)は元WWEで、バレッタは元NXTの所属選手。カール・アンダーソンは何度かWWEのオファーを受けながらそれを蹴って新日本を主戦場としているのは周知のとおり。

 

 さらに、TNAとの不仲もあってか(?)WWEとはまったく接点のない“天才レスラー”AJスタイルズが大阪前哨戦のために今シリーズ初参戦。この10人タッグがまたまた大爆発。やっぱり、みんなWWEを意識していたんじゃないかな? そんな気がしてならないのである。

 さて、本題のWWE。ここのところ夏の日本公演は定期開催されているが、どうも私自身は興味が沸かない。というより、日本のプロレス界を追っかけているだけで精いっぱい、アップアップの状態だから、新日本と提携しているメキシコCMLLの事情は多少把握していても、WWE関連はさっぱり分からない。ジョン・シナとかランディ・オートンの二大エース、レジェンド的に参加するトリプルHやブロック・レスナ―、アンダーテイカ―、『レッスルマニア』になると顔を出す超大物ハリウッド大スターのロック様(ドゥエイン・ジョンソン)などはもちろん知っている。あ、日本育ちのダニエル・ブライアンも知っている。あとのニューカマーに関してはほとんど知識がない。それが現状。だけど、今月号の『ゴング』の三者三様のテーマになっていること、そしてなによりNXT入りした元プリンス・デヴィットのフィン・べイラ―、元KENTAのヒデオ・イタミ(※怪我のため試合はなし)がやってくるから、俄然興味も沸いてくるというものである。

 

 結果的に、取材に行ってよかった。無論、取材といっても、バックステージに入ることなどできないし、記者席に充てられた升席後方のボックス席で観戦するだけなのだが、観客の反応からすべてを含めて体感することができたから、収穫はたっぷりだった。

 

 それに加えて、座ったボックス席がよかった。『週刊プロレス』(以下、『週プロ』)の記者2名と『ゴング』撮影用に大川カメラマンが望遠レンズを構えたボックスに合い席させてもらったのだ。大川カメラマンは『レッスルマニア』を現地まで観戦に行くほどのWWE通だし、過去に週プロの通信員としてアメリカに住んでいた鶴田記者もいる。わからないことは彼らに聞けば、即なんでも解決である。解説者が2人同席しているのだから、こんな心強い観戦も滅多にないだろう。

 

 初日は、平日ということで空席も目立ったようだが、2日目の土曜日はギッシリ埋まっていた。まあ、とにかく観客はWWEをよく知っている。選手の入場時から勝手に出来上がっているし、その選手に送られるコール、チャントはアメリカの会場以上の盛り上がり(※といっても、現在の米国ファンの盛り上がりは知らないのだが……)。それに日本に馴染みの深いレスラー、たとえばクリス・ジェリコなどは大人気で「Y2J」コールは終始鳴りやまない。それに応えて、ジェリコはライオン・ハート(というより冬木軍のライオン道)として、冬木弘道さんお得意の相手を踏みつけてのマッチョポーズまで大サービスで披露してくれた。

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