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  • 2015.07.02

GK金沢克彦コラム #54

GK金沢コラム連載第54回!! 「天龍引退興行」

天龍の挑発に対するオカダの回答とは?

 先月26日、天龍プロジェクトが東京・両国国技館で記者会見を開き、天龍源一郎の引退試合を『~天龍源一郎引退試合~革命終焉 Revolution FINAL』と銘打ち、1115日に同所で開催すると発表した。引退ロードは1115を含め現在すでに9試合が決まっているが、ファイナルの対戦カードは未定である。

 

 まず下世話な私としては、1115両国のチケットの値段を見て少しばかり驚いた。

 

・ロイヤルシート=50000円

・SRS(イス席)=30000円

・SRS(マス席)=30000円

・マス席=6000円

・2階席=5000円

※全券種記念パンフレット付き

※当日券は500円アップ

 うう、高い! かなりの値段。このチケット料金を設定する側も、チケットを買う側も結構な覚悟を要求される値段設定である。たとえば、他団体のビッグマッチ、しかも今もっとも日本のプロレス界でビッグなショ―を提供でき得る新日本プロレスのスペシャルな大会のチケット価格を調べてみよう。

 

 目前に迫った21年ぶりの7・5大阪城ホール大会と真夏の祭典『G1 CLIMAX 25』優勝決定戦(最終戦)が開催される8・16両国国技館のチケット料金がほぼ同じ設定となっている。まずは、大会4日前に前売り完売となった7・5大阪城ホールから。

 

・ロイヤルシート(特典付)=20500円

・1階アリーナ=10500円

・1階ひな壇A=10500円

・1階ひな壇B=8500円

・2階特別席=7500円

・2階指定席A=5500円

・2階指定席B=3500円

※ロイヤルシート以外、当日500円アップ

 

 つづいて、8・16両国国技館のチケット料金を見てみよう。

 

・砂かぶり(イス席)=20500円

・アリーナA(マス席)=12500円

・アリーナB(マス席)=9500円

・アリーナC(マス席)=6500円

・2階特別席=7500円

・2階指定席=5500円

※当日は500円アップ

 

 新日本と比べてみたときに、やはり天龍引退興行は超スペシャルなチケット料金となっていることが余計に際立つだろう。こう書いていながら、私はべつに文句を言っているわけではないし、文句を言う資格もない。お金を払ってチケットを買うのはお客さんだし、それこそ天龍源一郎に魅せられてプロレスの虜となったファンや、天龍をひたすら応援してきたファンにとっては余計なお世話となる。天龍はお金で換算できる存在ではない。むしろ、破格の値段設定でこそ、天龍の引退試合に相応しい。そういう声が今にも聞こえてきそうである。

 

 そう言えば、大昔のこと。1995年4月2日、『週刊プロレス』を発行するベースボールマガジン社主催によるプロレスオールスター戦『夢の架け橋』が東京ドームで開催されたとき、天龍率いるWARだけはそこに敢然と背を向けて、もともと同日に押えていた後楽園ホール大会を強行した。当時、競合関係にあった『週刊ゴング』は当然のように『夢の架け橋』の取材をすることなく、天龍WARの後楽園ホール大会を強烈に後押しした。

 

 そのとき天龍が『夢の架け橋』への出場辞退(拒絶)を宣言したときの『週刊ゴング』の表紙キャッチコピーは私が考えた。

 

「俺は金では動かない!!

 

 そこには、かつて全日本プロレスからSWSへ移籍した天龍のことを、「これで世の中がお金であることがハッキリした!」と批判した『週プロ』……というよりターザン山本編集長を思いきり挑発する意味も込められていたのだ。まあ、これは余談なのだが、それを引き合いに今回の天龍引退興行を例えるなら、「天龍は金では量れない」となるかもしれない。

 

 ただし、何故に誰も触れないお金の話から入ったかというと、天龍だからこそ、そのファイナルに相応しい引退試合、壮絶な幕引きとなる対戦カードで両国に臨んでほしいと願うからだ。率直なところ、全盛期の天龍を取材していた人間からすると、現在の天龍のコンディションは厳しい。まあ、全盛期云々といっても50代の後半までバンバン受身を取っていたわけだから、2011年12月から、腰部脊柱管狭窄症の治療のため約1年間欠場するまで、ずっと天龍は全盛期だったのかもしれない。まさに怪物的な頑丈さを誇っていたのだ。

 

 ところが、さすがの天龍も人間だった。2度の手術から1212月に復帰した天龍はそうとうシンドそうに見えた。むしろ、この状態で闘い続けることのほうが不思議に思えたほど。このへんに、天龍と長州力の考え方の違いが見てとれる。ここ最近、さっぱりリングに上がることのない長州。上がれば上がったで、長期戦は無理でも短時間の試合なら長州は長州らしさを見せられると思うのだ。そこで長州自身が二の足を踏んでいるのは、やはり古傷である右アキレス腱と両脚フクラハギが怖いからだろう。足が使えなければ長州ではないし、走れなければ長州ではない。

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