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  • 2015.06.18

GK金沢克彦コラム #52

GK金沢コラム連載第52回!! 「ローデスとローズ」

「アンギャン・イズ・ソールドアウト」

英語読みとカタカナ英語の違い

 先週の11日(日本時間12日)、ダスティ・ローデスさん(以下、敬称略)が69歳で亡くなった。みなさん、ご存知かと思うが、英語の発音でいくとローズ。だけど、おそらく国際プロレスにディック・マードック(故人)とのテキサス・アウトローズで初来日したときに、ローデスと表記されたので、そのままローデスで通ってしまったのだろう。NXTでお世話になったヨシタツも自身のブログの追悼文で、当然のようにローズと記している。

 

 こう書いていてふと思い出したのが、『週刊プロレス』の前身である月刊『プロレス』がなぜか、ダスティ・ローダスと記載していたこと。当時、子ども心に「誤字だろうな?」と思っていたのだが、その後もずっとローダスのまま。なにか、凄く意地っ張りな感じがして、月刊『プロレス』が好きではなくなり、金沢少年はゴング派になったのである(笑)。

 

 こういった例はほかにもあって、WWE総帥であるビンス・マクマホンは英語発音でマクマン。また、不慮の死を遂げたワイルド・ペガサスのクリス・べノワは、新日本に留学してきた当初はクリス・ベノイと表記されており、途中からべノワに代わった。一方で、英語読みの発音ではベンワーと聞こえるため、『週刊プロレス』だけはベンワ―で統一しており、今でも斎藤文彦さんはベンワ―と書いている。あ、もしかしたら、これはフミさんが「ベンワ―でいこう」と提案して『週プロ』はベンワ―になったのかもしれない。

 

 細かく言うと、ジョン・シナとジョン・シ―ナもあるし、ジョーニ―・ローラーとジョアニ―・ローラーもある。だいたい、ローデスのパートナーだったマードックだって、読みはマダックとなるのだ。さらに技名で言うと、ウェスタン・ラリアットとウェスタン・ラリア―トの2種類の表記が存在する。

 

 英語読みとカタカナ英語はずいぶんと違うものだ。いつもの前振りのつもりで書いているのだが、いろいろなことを思い出してきたので、この手のエピソードで進めてみたい。1980年代後半に新日本プロレスにたびたび来日していた“マッドドッグ”バズ・ソイヤ―は業界入りしてから私が初めて仲よくなった外国人レスラーだった。対戦相手のお尻に噛みついたりする奇行も見せる男だったが、ひと皮剥けばレスリング出身の本格派。あの自分も宙に浮いて相手を投げるパワースラムは絶品で、いまだにソイヤ―のパワースラムを超える使い手は出てこない。

 

 性格も明るかった。仲よくなったキッカケは青森から函館へ移動するフェリーのなかでの、ある出来事から。そのときソイヤ―はカップラーメンの自動販売機の前に立って、しばし考えこんでいた。それからの行動は……まずカップラーメンを購入。包装セロハンを破ってから蓋をビリビリと割いて、まるめてごみ箱へポイ。そこへお湯を入れ始めた。

 

 これは見ちゃいられない。お湯が入ったら今にも食べだしそうな勢いなのだ。私はソイヤ―に駆け寄って、「ウェイト! ウェイト!」と制止してから売店のオバちゃんに、蓋の代わりになるものがないか聞いてみた。

 

 そうすると、親切なオバちゃんは私に画用紙を1枚くれたのだ。それをソイヤ―に渡して蓋にするように身ぶり手ぶりで伝え、「ウェイト、スリーミニッツ!」と言うと、ソイヤ―はようやく理解したようで、私の指示通りにカップめんの上に画用紙を載せてじっと待っていた。

 

 腕時計を見て、ちゃんと3分経過を確認してからソイヤ―は割りばしを使ってカップめんをすすり出した。「デリーシャス!」と言って満面の笑み。「センキュー、センキュー」と何度も私にお辞儀していた。それから会場で会うたびにソイヤ―は私に向かって駆け寄ってきた。駆け寄ってきては笑顔でアームロックやヘッドロックやスリーパーを極めて遊んでいく。

 

 会話はまったく弾まないからボディーランゲージである。

 

 そして、事件は函館のホテルの傍で起こった(大袈裟!)。当時、コンビニはまだまだ普及していない。町の小さなスーパーの前を通りかかると、中から大きな声が響いてきた。

 

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