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  • 2015.04.23

GK金沢克彦コラム #44

GK金沢コラム連載第44回!! 「森嶋猛の覚悟と決意」

4月21日午前10時過ぎ、GKのスマホに森嶋からの着信が……


 森嶋猛が突然の引退。4月21日午後、ノアから正式なリリースがあると同時に、公式ホームページにも告知が掲載され、それが現実のものとして公になった。キャリア17年余で36歳、一般的なプロレスラーとしては(※プロレスラーじたいが一般的とは思えないのだが!)、脂の乗り切った年齢と言えるだろう。ノアでいえば、副社長の丸藤正道が同期であり年齢は1個下にあたる。だからノアの所属・常連レスラーのなかでみると、小川良成、齋藤彰俊、高山善廣、モハメド ヨネに続き5番目のキャリアを持つ選手ということになる。

 ここで5番目の古参選手という言いかたをすると、この17年というキャリアはかなり濃いものだと感じる。たとえば、新日本プロレスの選手を比較対象とするなら真壁刀義がキャリア18年余、石井智宏がもうすぐ18年半になろうとしている。周知のとおり、両選手とも満身創痍で闘いつづけている。

 

 同門・同期の丸藤にしても、いまでこそコンディションを取り戻してきたものの、昨年の一時期、「これが、あの丸藤か!?」と本気で心配になるような状態でリングに上がっていた。やはりハイスピードでダイナミックに動き、大技も多彩になった現代プロレスを第一線でつづけていれば故障が出てくるし、15年もキャリアを積めば肉体もどんどん壊れてくる。

 

 10数年前、野球(ベースボール)のピッチャーの肩は消耗品だという認識がメジャーリーグから伝わってきて、いまや日本の野球界でもその考え方がすっかり浸透している。それを思うと、プロレスラーにいたっては、首、肩、腕、腰、膝と全身が消耗品。あらためて、大変な商売なのである。そこで反対に、47歳にしてキャリアはもうすぐ23年、細かい怪我はありながらも20代、30代のバリバリの選手と互角以上に闘う永田裕志などは、奇跡の存在と言っていいだろう。

 

 さて、本題の森嶋である。森嶋は怪我の多い選手だった。当初、『グローバル・タッグリーグ戦2015』の欠場理由として発表された右肩、左膝、左肘に古傷を持つのは本当の話。190cm、130kgの巨体。もっとも重いときには160kgほどもあったという重量を支える身体に負担が掛かるのは当たり前だし、その体躯で動きまわり、受身もとりまくる。当然のように、肉体に掛かる負担も大きくなる。

 

 また、この3年は病との闘いもあったようだ。森嶋は豪快に食べるし、豪快に飲む。かと言って、だから“糖尿病”とはならない。名前は出さないが、過去には糖尿を患いながら現役を続けていたレスラーも多数いるし、そのなかにはまったくお酒を飲まない人、つねに摂生に努めているのに糖尿や痛風になった選手だっている。私は医師でも学者でもないけれど、やはり病気というのは遺伝的要素が強いものだと思っている。そのいい例がワタクシ金沢本人だろう(笑)。

 

 もう、30年近くにわたり不摂生と不健康の塊りのような生活を送っている。そのうち20年、週刊誌(紙)に関わっていたわけだから、毎週末の徹夜作業は当たり前。そのうえ、深酒もするし、よく食べるし、年々体重も増加の一途だ。だから毎年、健康診断にかかるときや3~4年に1回“人間ドック”を受けたときなど、ヒヤヒヤもの。ところが、まったくなにも出てこない。血糖値も肝機能も総コレステロールも数値はずっと正常値。唯一、血圧が多少高めなだけ。この傾向は、両親や姉とほとんど同じなのだ。

 

 そういうわけで、森嶋が不摂生とは思わない。ただ、この数年、森嶋の肉体には変化が見られた。随分と身体を絞っていた時期もあったし、またウエ―トアップしているように見えた時期もある。いま現在は、じつに適度というか、重すぎることもなく、太すぎることもなくという感じで、見た目にはとても充実しているように感じた。リング上の動きだって悪くなかった。だかこそ、今回こうやって本人が、ここ3年は怪我・病との闘いだったことをツイッタ―やFacebookで打ち明けたときには驚いたのだ。

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