• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2015.04.09

GK金沢克彦コラム #42

GK金沢コラム連載第42回!! 「新日本4・5両国国技館」

見事にハマった天才vs天才

 新日本プロレスはスゲェーや! あらためて、そう感じる。たとえば、4・5両国国技館の3日前に開催された後楽園ホール大会。会場に入ってみると、いつもながらの超満員。「いやはや相変わらずだな!」と感心していると、一部マスコミ関係者のヒソヒソ話が聞こえてきた。

 

「両国の3日前だから、さすがにチケットは完売にならなかったみたいだよ」

 

 べつに、ヒソヒソ話さなくてもよろしい(笑)。それに、どこからどう見ても観客でギッシリ。完売だろうと完売でなかろうと、どう見ても超満員札止めだし、館内の盛り上がりも相変わらずの凄まじさ。いま現在、『ゴング』のデスクを務めつつ、各団体の主だった首都圏の興行、とくに後楽園ホール大会にはほとんど顔を出している小松クン(ペールワンズ)が呟いた。

 

「新日本プロレスに来ると、ここだけ別世界みたいですよね?」

 たしかにそうなのだ。アメリカのプロレスリング市場において、プロレスリングのなかにWWEがあるわけではなく、WWEがあってその他のプロレスリング・プロモーションが存在するのと極めて状況が似てきたのだ。いまの日本のプロレス市場を言うなら、新日本プロレスという大きなプロモーションがあって、その他のプロレスがあって、そこにちょっと変わったIGFなんかがあるという状況。つまり、新日本プロレス&その他プロレスwith IGF。それが日本のマーケット。新日本プロレスは新日本プロレスというひとつのジャンルを作りあげてしまった感がある。そこが、新日本とWWEの共通点だろう。

 

 数年前、アントニオ猪木が、団体名に新日本とか全日本とか“日本”が付いていると、世界へ羽ばたくためにはマイナスになると言っていた。うん、それはそれで納得のいく言葉だった。たしか、武藤敬司も似たような発言をしていた。団体名に○○プロレスと付けると、世界では通用しづらい。そんな感じだったと思うが、それもそれで頷ける言葉だった。WWEにもTNAにもプロレスリングはついていない。ところが、今や新日本がその常識を覆してしまった。『ニュー・ジャパン・プロレスリング』は、日本も付いていれば、プロレスリングも付いている。コッテコテにくっ付いている。それなのに、海外のプロレスファンは、NJPWこと『ニュージャパン』に大変な関心を寄せて、最高のプロレスリング……メイド・イン・ジャパンのプロレスを見せてくれるプロモーションとして、最大の評価をしているのだ。そういえば、1年ぐらい前だったか、WWEのビッグショ―でリングサイドの観客がおもしろいボードを掲げている場面を目にしたことがある。

 

 そのボードにはデカデカと『OKADA≻CENA』と描かれていた。つまり、オカダ・カズチカのほうがジョン・シナより素晴らしいという意味。当時ヒールだったシナをこき下ろす意味合いもあったのだろうが、その比較対象として新日本から飛び出したニュースタ―、オカダの名前を持ってくるところが時代を捉えているし、それほど米国マニアのファンに新日本が浸透しているという証明にもなる。

 

 米国WWEのふつうのPPVビッグショ―の会場に、日本人レスラーの名前が描かれたボードが掲げられる。あらためて快挙というほかないだろう。

 

 おっと、前置きがまた長い。そこで本番ともいうべき、両国大会。都内では、1・4東京ドームから3カ月ぶりのビッグショー。チケットは完売。観客発表=9,500人(超満員札止め)だった。もう、会場を一望すると気持ち悪いぐらい人で埋まっている。それでも、マス席前方は2人掛けにしたという。それで完売したわけだから、次回の『G1 CLIMAX』両国3連戦では、マス席すべてを4人掛けにするかもしれない。

 

 そこであらためて知ったのは、ここまで国技館がビッシリ埋まって観客は9,500人だということ。これをすべて4人掛けにすれば、ちょうど1万人ぐらいの計算になるのだろうか? ひと昔前の観客発表なら、こんなに入ったら1万1,000~1万2,000人と発表していたような気がする。

 

 また、今回の両国大会で際立つのは実質、メインのIWGPヘビー級選手権(AJスタイルズvs飯伏幸太)1本で勝負したことだろう。セミファイナルのオカダvsバッドラック・ファレはあくまで、直前で組まれたカードである。だから、いまもっとも旬な顔合わせであり、想像を超えるような試合が期待できるAJvs飯伏で勝負にでたわけだ。

 

 この姿勢もいいと思う。なんでもかんでもシングルのタイトルマッチを組めばいいというものではないし、自信をもっての出し惜しみなら、むしろ歓迎材料。それによって来たるG1に好カードを温存することもできるし、IWGPヘビーの他の、インターコンチネンタル、NEVERの価値を上げることにもつながるからだ。まあ、それだけAJvs飯伏は「いまでしょ!!」と言うべきマッチアップなのである。

 

 休憩前の前半5試合で主役となったのは、我らがマリア・ケネリスだった(※キッパリ!)。IWGPタッグ選手権、BULLET CLUB(カール・アンダーソン&ドク・ギャローズ)vsROHからやって来たキングダム(マット・ターバン&マイケル・ベネット)の顔合わせ。両チーム入場の際、4選手よりもはるかに大歓声で迎えられたのが、マリアだった。本来、ヒールマネージャー(ディーバ)である。だけど、日本のファンにとっては関係のない話。魅力のある人物に対して、日本のファンは即時に反応する。それがマリア。なんと言っても、女性客にもマリアファンがメチャクチャ多いというのがおもしろい現象。

 

 米国人ディーバながら小柄で、当然スタイルは抜群にしてキュート。日本の女性から親近感を持たれるタイプだ。おまけに、昨年ベネットと結婚しているというのが好印象をさらに煽る。なぜなら、ベネットはふつうのオッサンっぽいし、レスラーとしても渋いタイプ。これがターバンだと、ちと印象が変わる。ターバンは身体能力が高く、イケメンときているからだ。そのターバンではなく、ベネットを伴侶に選んだ――なんて娘だ。どう考えたって、マリアは性格もいいに違いない。

 

 こうして、日本のファンは(※オイラだけか!?)、みんなマリアの虜になってしまったのである(※断定しよう!)。だいたい、たしかにキングダムとBULLET CLUBはROHで抗争を展開しているが、べつに日本でもそれを続行する必要性はない。それなのに、アンダーソンの要望に応えキングダムを招聘したのは、明らかにマリア人気に目を付けたからだと思われる。そして実際に、アンダーソンはマリアに骨抜き状態にされて、至宝を失った。

>