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  • 2014.07.17

8・17両国、KO-D無差別級王座挑戦! 木高イサミインタビュー(後編)「HARASHIMAさんもケニーもメチャクチャ強い。だからこそ、その2人に勝ったら意味があるのかなと」

ユニオンプロレス入団までを語った前編はこちら


――DDTを知っててもユニオンプロレスに行ったことがないって人はけっこういると思うんですけど、ユニオンの魅力を語ってもらうとしたらどういう部分になりますか?

イサミ そうですね……なんでもあるってことじゃないですかね。おもちゃ箱をひっくり返したような。それが時として完全なるカオスを生む場合もあるという。例えばボクらがハードコアマッチをやる場合もあるし。チェリーとかお姉ちゃん(紫雷美央)の女子プロレスもがんばって、活性化してるし。

――ヘンなマスクマンが増殖することもあるし。

イサミ なんでもありですよね。

――DDTも「なんでもあり」ですけど、古き良きプロレスのうさん臭さという意味では、ユニオンは上回ってますよね。

イサミ そうですね。そういうのを目標にはしたいですね。でもそれも、キチッとしたプロレスありきでやらないといけないんで。

――ただ怪しいだけの団体じゃないぞと。そんなユニオンに所属した翌年、2006年からは大日本プロレスにも出るようになりましたね。そこで宮本裕向選手と組むようになり、葛西純選手率いる「スクール・オブ・デス」の一員としてデスマッチをやるようになって。

イサミ そうですね、その頃からですね。

――あのー、「デスマッチやりたい」って思うきっかけってなんなんですか? 全然理解できないんで、これはデスマッチやる方、全員への疑問なんですけど(笑)。

イサミ はじめはユニオンでハードコアマッチをやってたんですよ。でも、「それよりも過酷と言われている、デスマッチってどんなもんなんだろう?」っていう興味からですね。そこから大日本に出てみて、「この世界で上を獲ってみたい」って思ったんです。

――異常に過酷な世界の中でトップに立ちたいと。

イサミ 「これは相当キツいぞ」って思ったんですよ。

――やりがいを感じたわけですね。

イサミ はい。「キツいけど、極めたときにはホントに楽しいだろうな」って。

――イサミ選手の場合、体格(172cm/70kg)的にも超キツいじゃないですか。普通のプロレスでもダメージ大きいのに、デスマッチまでやるという。

イサミ そうですね。いまでこそ小さいデスマッチファイターも増えましたけど、当時はみんなデカい人しかいなかったですし。

――そうですよね。でも最初は格闘技スタイルだったのが、MIKAMIさんに憧れてたり、デスマッチやったりってのはメチャクチャですよね(笑)。

イサミ やっぱり、人と違うことをやりたいんですよね。「こういうスタイルのレスラーだったらあの人を観たほうがいいや」ってなっちゃったらおもしろくないと思って。

――「身体が小さいから飛び技をやる」っていうレスラーはいくらでもいると。メチャクチャやってるように見えて、「人と違うことをやりたい」っていう意味では一貫してますね。

イサミ はい。プロレスって意外性がおもしろいと思うんで。あと、「プロレスは点で見るより線で見るほうがおもしろい」って言いますけど、デスマッチの場合はそれが露骨に出やすいんですよ。その人の哀愁だとか、ドラマ性は。

――血ダラダラ流して、普通のプロレスよりも死に近いところにいる表情を見せられたらどうしても感情移入はしますよね。

イサミ そうですね。ヘタしたら1試合観ただけでその人がわかるんじゃないですかね。

――なるほど。そして2007年から頸椎椎間板ヘルニアで長期欠場されてますね。引退勧告をされるぐらいの状態だったみたいで。

イサミ 検診を受けたとき「帰りはバスに乗るな」って言われましたからね。それでタクシー呼んでもらって、「ゆっくりゆっくり帰るように」と。

――要はそれぐらい、衝撃を与えたらダメだと。医者からは「いまジェットコースターに乗ったら即死だ」とも言われたそうで。

イサミ 言われましたね。即死っていうか、「意識はあるけどクビから下だけ動かなくなるだろう」と。

――うわあ……。原因としては、それまでのダメージの蓄積ですか?

イサミ そうですね。何かきっかけがあったりとか、誰かの技でとかではないです。

――そこから、引退は全然考えなかったんですか?

イサミ いや、はじめはやっぱり考えましたね。「これはもう無理かな」って。検査の結果を受けて、会社に連絡したときに、みんな、「えっ!」って驚くぐらいで、「がんばりなよ」とかは言えないぐらいでしたからね、ケガのレベル的に。医者も、「復帰していいですよ」って人はいなくて。

――じゃあいまもOKは出ていない?

イサミ いや、いろんな人がいろんな病院を紹介してくれて。そしたら一番最初に検査を受けた病院の先生が「1年後をめどにリハビリやりますか」って言ってくれたんです。いろいろ巡ったあげく、そう言ってくれたのはその先生だけだったんですよ。

――おお、その先生はプロレスに理解があったんですか?

イサミ いや、ないと思います。プロレスに理解がある医者なんて、なかなかいないですよ(笑)。だって蛍光灯とかで指とか背中とか切ったときに、傷が深いと病院行って縫わなきゃいけないんですけど、だいたいどこも「なんでそんなことしてるの?」って言いますからね。

――まあ、当然の反応だと思います(笑)。

イサミ 1回、佐々木貴さんが傷を縫いに病院に行って、その翌日にボクもまったく同じ病院に行ってしまったことがあって。そこでは「その蛍光灯デスマッチっていうのはなんとかならないんですか?」って言われましたからね。「すいません、ならないんですよ」つって(笑)。

――「理解できないでしょうけど、どうしてもやりたいんで」と(笑)。
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