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  • 2015.02.26

GK金沢克彦コラム #36

GK金沢コラム連載第36回!! 「世Ⅳ虎vs安川」

世Ⅳ虎とスターダムを救ったのは安川

 22日、スターダムの後楽園ホール大会で、事件が起こった。メインイベントのワールド・オブ・スターダム選手権(世Ⅳ虎vs安川惡斗)が“喧嘩”になってしまったのだ。“喧嘩マッチ”という表現も一部で使われているが、マッチ(試合)とは言いがたい。私には喧嘩にしか見えなかったし、それも感情的になった世Ⅳ虎が一方的に仕掛けたようにしか映らなかった。

 

 一応、説明しておくが、当日取材に行くつもりだったのだが、私用のため会場には出向いていない。携帯サイト、ネット媒体、東京スポーツなどから情報を得たうえで、翌23日にたまたまサムライTVの情報番組『速報!バトル☆メン』に解説者として出演が決まっていたので、そのときの模様をVTRで観ることができたのだ。まず、生放送前の打ち合わせのときに、編集したVTRを見せてもらい、会場で取材していた三田佐代子さん(キャスター)から詳しい状況を聞いた。

 

 そして、本番の生放送でも、比較的長めの編集Vをもう一度観た。現場で取材していた三田さんも選手の表情まではハッキリと確認できなかったというので、カメラがしっかり捉えている世Ⅳ虎のパンチの乱打、掌底攻撃、試合直後の表情、血まみれになってもなおリングに戻ろうとする安川の様子など、細かい部分を確認して、また認識が変わったと言っていた。

 

 映像を観て感想を求められた私は、たしかこんなことを言ったと記憶している。当たり前のことだが、慎重に言葉を選んだ。

 

「これはプロレスじゃなくて、喧嘩ですね。観客不在、お客さんを置き去りにしてしまった。いま、プロレス界は新日本を中心に世間にまで届いて、いろいろな一般メディアで扱われていい状況じゃないですか? そこでこういうことが起こってしまうと、『プロレスって、こういうものなの?』と思われてしまう。女子も含めて、プロレスはみんなプロレスなんです。だから、ホントに残念としか言いようがない」

 

 そのあと、三田さんが涙目で、今回の不祥事を乗り越えて選手たちに立ち直ってもらいたい、という思いを強く訴えた。それを受けて、また私が口を開く。

 

「どんな感情があっても、リングではプロレスを成立させなきゃいけない。過去に女子プロで言うと、神取忍とジャッキー佐藤の不穏試合があったりして、たしかに顔面にパンチも入れていたけど、最後は腕を極めてタップさせているから、プロレスとして成立させているんです。神取と北斗晶もそう。団体対抗戦で殺伐としていて、バックステージで神取が(北斗を)殴ったとかいう話もあるんだけど、試合ではプロレスを成立させている。リングに上がったら、プロレスをやらなきゃいけないんです」

 

 生放送だし、その場の気持ちを話しているから、一語一句が正しいかどうかはわからないけれど、そういうニュアンスで話したことは憶えている。

 

 まあ、これは書き原稿だから言える(書ける)ことなのだが、「うわっ、やっちまったなあ!!」というのが率直な感想。もうひとつ、「安川が失明とか最悪の事態にならなくて、本当によかった」という安堵の気持ちがある。頬骨、鼻骨を骨折し、左眼窩底骨折、網膜震とう症と、これだけ怪我を負って、よかったは不謹慎かもしれないが、過去に右目の白内障の手術を受けているというから、よけいに心配だった。

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