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  • 2015.02.05

GK金沢克彦コラム #33

GK金沢コラム連載第33回!! 「鈴木軍効果」

対照的な空気の2・1新日本と2・4ノアの両後楽園大会

 今週は2・1新日本プロレス2・4ノアの両後楽園ホール大会を取材してきた。新日本は例によって例のごとくチケット完売の札止め状態。一方、水曜日に開催されたノアのホールもよく入った。平日にも関わらず9割がた席が埋まり、立見のお客さんもいたから彼ら(彼女ら)に着席してもらったら、掛け値なしの満員になったことだろう。“鈴木軍効果(ショック?)”は絶大である。

 

 まず、新日本のほうだが、鈴木軍7選手が離脱した状態ながら、相変わらず分厚い選手層には恐れ入るしかない。全7戦の内訳は、タッグマッチ=4試合、6人タッグ=2試合、8人タッグ=1試合。この陣容なら、余裕でビッグマッチ仕様の全10戦がマッチメイクできてしまう。

 

 とくにジュニアヘビー級にまた目新しさを感じる。TAKAみちのく、タイチ、エル・デスぺラードに換わってケニ―・オメガ、マスカラ・ドラダが参入。現IWGPジュニアタッグ王者のreDRagon(ボビー・フィッシュ&カイル・オライリ―)も王者であるかぎりセミレギュラーとなってくるから、ジュニア戦線はさらに活発化しそうな雰囲気。

 

 それを象徴するのが、第3試合の6人タッグ戦(田口隆祐&KUSHIDA&アレックス・シェリーvsヤングバックス&ケニ―)で、シングルとタッグの頂点を争う6選手の攻防はお見事。とくに、BULLET CLUB入りした現ジュニア王者のケニ―は見事にヒールがハマっているし、ヤングバックスと同じ匂いを発散させているから、このトリオは今後、売り物になりそうな予感……。試合内容でいくと、全7戦のなかでもっとも白熱した。

 

 このジュニア6人タッグとは対照的に、ヘビー級の重みと深さを感じさせたのが、セミに組まれたインターコンチネタル&NEVER王座のダブル前哨戦(ともに2・14仙台大会)となるタッグマッチ。永田裕志&真壁刀義vs中邑真輔&石井智宏の真っ向激突だった。現在進行形で前哨戦となるのは、中邑vs永田と真壁vs石井となるが、もともと中邑vs真壁、永田vs石井も連戦・抗争を展開していた時期があるから、どの顔合わせにもハズレがない。だから当然、試合は白熱する。

 

 結果的に、挑戦者の永田が中邑からピンフォール勝ち。後頭部へのスタナ―、側頭部へのハイキック、トドメのバックドロップホールドで完勝。こういった前哨戦で挑戦者が王者から直接フォールを奪うシーンというのは決して珍しいものではない。ただし、永田、中邑という2人のレスラーの絡みから発散されるもの、伝わってくるものが、他とは異色と感じる。この空気感はファンにも伝わったのではないだろうか? 

 

 べつに、金星でも番狂わせでもなんでもない。「永田のベルト奪取に期待が高まる」という感じでもいないし、「真輔に黄色信号点滅!」という感覚にもならない。ふつうの出来事に映るというのがイチバン相応しいように思うのだ。衰え知らずの永田が真輔をねじ伏せてしまうことは、不思議でもなんでもない。一方、敗れた中邑だが、反対に“強い永田”をすべて受け止めるだけの器量と技量と引出しを持っていることを見せつけてくれたような気がする。

 

 これが永田の言うところの「トップに立った今でも真輔は真正面からきてくれる」なのである。どちらが勝ってもふつうに見えてしまう光景。あえて言うなら、現代プロレスにおいて別格の力量を有している2人。だからこそ、結果(勝負論)も大切だが、中身に期待している。タフな技術の応酬が見てみたい。どちらの引出しが多いかを競うような闘いを見たい。もっと言うなら、平成を代表するテクニックによる名勝負として我々の脳裏に焼き付いているカート・アングルvs永田裕志戦を超えてほしいと思うのだ。

 

 本当にひさしぶりに胸躍るタイトルマッチ。『新日本プロレスワールド』でも観戦できるのだが、私はテレビ解説がないのに仙台まで直接出向き見とどけてこようと思っている。そう、取材ではなく、見とどけに行くのだ。

 

 では、新日本から3日後のノア後楽園ホール大会。1・10後楽園ホールへの鈴木軍乱入から、1カ月弱。ノアのリングに試合で上がる鈴木軍を個人的には初めて見ることとなった。こちらは全8戦でその内訳は、シングルマッチ=4試合、タッグマッチ=1試合、6人タッグ=1試合、8人タッグ=1試合、3WAYマッチ=1試合となる。目玉は当然、ノアvs鈴木軍の対抗戦5試合。

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